ポピュラーソフト、メールソフトに依存しない誤送信防止ツール


営業部長の須田靖志氏

 ポピュラーソフト株式会社は11月18日、メールソフトに依存しない誤送信防止ツール「Popular MailChecker」の販売を開始した。

 Popular MailCheckerは、メール送信時のケアレスミスによる情報漏えいを防止するツール。送信直後に確認画面が起動し、「TO/CC/BCCの間違いやアドレスの入力ミス」「添付ファイルの添付漏れ・間違い・暗号化のし忘れ」「作成中、件名未入力」など、送信内容の確認を促す。例えば、外部ドメインを赤色で、CC/BCCに自動追加されたアドレスを紫色で表示し、これらすべてのチェックがなされるまで送信が保留される仕組み。

 加えて、添付ファイルの自動圧縮・暗号化(ZIP形式)をワンクリックで行える付加機能も搭載する。別途、圧縮・暗号化ツールは不要。事前に設定すれば圧縮・暗号化を自動化することも可能で、各社のセキュリティポリシーに則ったルールを設定できる。

 特長は「インストール後に必須の設定がない点。必要に応じてカスタマイズすることはできるが、特に必要がなければそのまま即座に利用開始できる。また、クライアントPC上で動作するツールなので、特にハードウェアやネットワークを新設する必要はなく、メールサーバーやメールソフトに依存しない点も特長に挙げられる」(営業部長の須田靖志氏)。

メール送信直後に立ち上がる確認画面。保留されているメール一覧と各メールの内容が表示される。ここでチェックをつけると送信が可能となる外部ドメインを赤色で、CC/BCC自動追加アドレスは紫色で表示される添付ファイルの確認も可能。圧縮するかどうかも確認できる
動作環境

 対応OSは、Windows 7/Vista SP1以降/XP SP2以降/2000 SP4以降。動作確認済みメールソフトは、Outlook/Outlook Express/Becky/Shuriken/Thunderbird/秀丸メール/Eudora/Sylpheed/Windows Mailなど、「既存のメールソフトのすべてに対応している」(須田氏)という。ただしWebメールは対象外。

 現在は、企業向け機能として、「アラート機能」と「上長承認機能」を開発中。前者は、過去の送信先情報の組み合わせ履歴を基に、新たに作成された送信先情報の組み合わせを見て、誤送信の可能性を判定する機能。問題があれば、推奨送信内容を提示し、送信の可否を問うという。後者は、社外へのメール送信時に所属長の承認を必要とさせる機能。一度、承認者にメールを転送する形を採っており、サーバーなどを別途構築する必要はないという。これらの機能は、企業向け有償オプションとして近日提供予定。

 価格は、通常ライセンスが4980円/クライアント。ボリュームディスカウントは無く、企業利用時は10クライアント単位での販売となる。企業向けにはこのほか、ユーザー企業内に限り、ユーザー数・ドメイン数無制限で利用できるエンタープライズライセンスも用意。価格は498万円。別途、購入金額20%の年額保守料がかかる。なお、いずれのライセンスに関しても、2010年3月末までのキャンペーンとして半額で提供する。

 須田氏は「どんなに注意深い人でもメールのケアレスミスの可能性はある。それ自体は仕方ないが、危険性を承知で放置すれば、企業管理責任を問われてしまう」と、誤送信対策の重要性に言及。「目標は2010年3月末までに1万ライセンスの出荷」としながらも、「製品の完成度をみれば、年内には1万ライセンスを達成できると考える」と自信をのぞかせている。




(川島 弘之)

2009/11/18 13:50