日立ソフト、中堅・中小向けの「秘文LEシリーズ」-第1弾は携帯オフィス環境構築製品


 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(以下、日立ソフト)は1月12日、新たなセキュリティ製品群「秘文LE(ライトエディション)シリーズ」を発表した。PC1台から導入・運用でき、「秘文」製品とも連携可能な点が特徴。第1弾として、社外での安全なデータ利用を実現する「秘文LE Personal Office」を2月26日に発売する。

 「秘文 AE」「秘文 ME」の両シリーズから構成される従来の「秘文」は、強固なセキュリティを実現したいニーズが強い、大企業を中心に導入されてきたが、中堅・中小企業からも、機能単体で導入できるセキュリティ製品に対する要望があったという。今回提供開始される「秘文LE」は、システム管理者がいない企業でも、「ファイル持ち出し」「暗号化」といった機能をPC1台から導入できる製品群。日立ソフトではこのシリーズによって、中堅・中小企業でのニーズに応えていくとした。

 第1弾となる秘文LE Personal Officeは、専用USBメモリを用いて、出張先や自宅のPCに「携帯オフィス環境」を構築する製品。PCにこのUSBメモリを挿し、パスワード認証が完了すると、デスクトップ画面があらかじめ設定された「携帯オフィス環境」に切り替わり、ユーザーが使い慣れたアプリケーションを用いて、携帯オフィス環境内でデータを編集・参照できるようになるという。

 また、データの保存は専用USBメモリ内にしか行えないため、社外のPCにデータを残さない運用が可能。データは自動的に暗号化され、パスワード認証によって保護される。なお、出張先や自宅のPCへの秘文LE Personal Officeの導入は不要だが、ユーザーが作業するアプリケーションについては、PCにインストールしておく必要がある。

 価格はオープンだが、1GBのUSBメモリ(1ライセンス)の場合で1万5000円程度になる見込み。対応するクライアントOSは、Windows Vista SP1以降/XP SP2以降。日立ソフトでは、2011年度までに10万ライセンスの導入を目標とする。

 同時に、「秘文AEシリーズ」において、サーバーからの情報持ち出しを制御する「秘文AE ServerDefender」も発表された。この製品では、グループ/ユーザー単位に設定されたポリシーによって、サーバーから、リムーバブルメディアや外付けHDDなどへのデータ持ち出しを禁止できる。さらに、シリアル/パラレルポート、データリンクケーブル、PDA、無線LANなどのデバイスについて、サーバー接続を禁止する機能も備えた。

 このほか、情報漏えい対策製品の「秘文AE Server」と連携した、不正な持ち出し操作の記録に対応。ログの監査やレポート出力などについても、「秘文ME LogManager」と連携してサポートする。

 価格は、仮想インスタンス2つまでのインストールライセンスを含む「Basicモデル」が10万5000円/サーバー、無制限の仮想インスタンスで利用可能な「Unlimitedモデル」が21万円/サーバー。日立ソフトでは、2010年度に5000ライセンス導入を目標とする。




(石井 一志)

2010/1/12 12:26