F5ジャパン、最大4万同時ユーザーに対応するSSL-VPN製品「BIG-IP Edge Gateway」

アクセス最適化機能などを搭載した“インテリジェント・ゲートウェイ”

BIG-IP Edge Gatewayの特徴
米F5 Networksのプロダクトマネジメント兼プロダクトマーケティング担当副社長、エリック・ギーサ氏
マルチプラットフォーム対応のクライアントソフトが提供される。アプライアンス本体の価格以外に、追加コストは発生しない

 F5ネットワークスジャパン株式会社(以下、F5ジャパン)は2月3日、ネットワーク最適化機能などを備えたSSL-VPNプラットフォーム「BIG-IP Edge Gateway」を発表した。同日より提供を開始する。

 BIG-IP Edge Gatewayは、SSL-VPN機能を中心にした、ネットワークエッジ向けのアプライアンス製品。F5ジャパンではすでにSSL-VPN製品として「FirePass」アプライアンスを販売しているが、それとの大きな違いは、SSL-VPN以外にさまざまなインテリジェント機能を備えている、という点。具体的には、クライアントデバイスからのアクセスを最適化/高速化する機能、QoS機能、ポリシーに応じたアクセス制御機能、ローミング時にも常にアプリケーションへのアクセスを継続するオートコネクト機能などが提供される。

 この製品について、米F5 Networksのプロダクトマネジメント兼プロダクトマーケティング担当副社長、エリック・ギーサ氏は、「現在は個別のVPNや最適化製品しかなく、(複数製品を導入する)コストもかかるし、クライアントソフトウェア同氏の互換性も問題になるだろう。しかしBIG-IP Edge Gatewayでは、VPNにセキュリティや最適化を集約しているので、高速で、セキュリティの高いサービスを確実に提供できるメリットがある」と述べ、価値を説明する。

 さらに、スケーラビリティが非常に高い点も特徴で、「最大4万同時ユーザーを収容できる能力を備えているが、これは、競合のハイエンド製品と比べて約5倍の収容能力。しかも、VPN以外の能力も提供できる強みがあるし、仮想化技術によって、1台の中で、部門ごと、顧客ごとに異なったポリシーを適用することも可能になっている」(ギーサ氏)とした。

 F5ジャパンではこの製品を、次世代SSL-VPNが提供可能な“インテリジェント・ゲートウェイ”として導入を訴求する考え。F5ジャパンのシニアプロダクトマーケティングマネージャ、武堂貴宏氏は、「従来のVPN製品は、ただ接続できればいい、というものだったが、BIG-IP Edge Gatewayは、高速に接続したい、誰が接続しているか知りたい、といったニーズに応えられる点がメリット。また、これまでは営業職など一部の社員にだけSSL-VPNを提供する、というのが一般的だったが、スケーラビリティとパフォーマンスが1けた上の能力があるため、BIG-IP Edge Gatewayでは全社員への配布も可能になる」と、具体的な導入効果を説明した。

 なお、SSL-VPNはIPsec VPNと比べて1ユーザーあたりのコストが高くついていたものの、この製品では同水準への低減が見込め、かつ付加機能も提供できることから、同社はマネージドサービスプロバイダ(MSP)への訴求も積極的に進めたい意向だ。

 価格は、最小300同時接続ユーザーで448万円から。ギーサ氏によれば、今後はより小さな規模のユーザー向け製品も検討しているとのことだが、現状では、FirePassのような小規模ユーザー向けは用意されていない。この点や、機能が異なることを考慮し、FirePassの販売は継続される。




(石井 一志)

2010/2/3 15:36