テラデータ、分析クラウド「Enterprise Analytics Cloud」を提供

VMware/Amazon EC2上で迅速な開発を実現

Enterprise Analytics Cloudのラインアップ

 日本テラデータ株式会社(以下、テラデータ)は3月5日、分析クラウド「Teradata Enterprise Analytics Cloud(EAC)」を発表した。クラウド技術の柔軟性・迅速さをTeradataデータベースに適用したもので、テラデータが提供するクラウドソリューションの総称となる。

 その第一弾として、プライベートクラウド用の「Teradata Express for VMware Player」と、パブリッククラウド用の「Teradata Express for Amazon EC2」を同日より提供開始する。開発用・評価用に限定して、データベースライセンスを無償提供。必要なときに必要なだけ開発環境が構築できるため、開発の効率化とシステム構築のコスト削減が実現する。

 Teradata Express for VMware Playerは、VMware製品で構築されたプライベートクラウド環境で使える評価用データベース。SUSE Linuxをベースに、TeradataデータベースをVMwareの仮想化環境に即座に導入できるテンプレート製品で、開発者向けWebサイト「Teradata Developer Exchange」から無償ダウンロードして、64ビットのx86サーバー上に短期間で構築できる。

 一方、Teradata Express for Amazon EC2は、Amazon EC2上で利用できるようにあらかじめパッケージ化されたTeradataデータベース。PaaSの柔軟性と、開発者向けの無料データベース「Teradata Express」を活用し、迅速に解析環境を構築。世界中のどんな場所からも、開発・テストが始められる。こちらも評価用で、急にテスト環境が必要になった場合や、ある一定期間だけ複数の開発環境が必要になった場合などに最適だ。CPU4コア、ストレージ1TBまでなら無償でデータベースライセンスが利用できる。

 Teradata EACでは、このほかプライベート用の「Agile Analytics Cloud」と、パブリック用の「Software SaaS」も提供する予定。前者は、VMware以外の仮想化環境でも利用できる評価用データベースで、米国ではeBayが「30分ほどで構築できる検証環境」として大規模に活用している。後者は主にリテール向けに提供するSaaSモデルとなる。

 テラデータは、既存のハードウェア製品でもラインアップ拡充を図り、同時にEnterprise Analytics Cloudを提供することで、「Teradata for Everyone, Everywhere」を実現。企業の経営層やマーケティング担当者のみならず、現場の業務やコールセンター担当者など、企業のすべての人が Teradataを分析環境のスタンダードとして利用できるよう推進していく方針。

Teradata Express for VMware Playerの概要Teradata Express for Amazon EC2の概要





(川島 弘之)

2010/3/5 14:52