クラウドと社内を安全に連携させるバッチ実行環境、「SecureOnline」で提供


 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(以下、日立ソフト)は4月8日、統制IT基盤提供サービス「SecureOnline」で、複数のクラウドと連携したバッチ実行環境サービスを発表した。

 同サービスでは、SecureOnlineを中継し、オンプレミスの業務システムとパブリッククラウドを連携させた「ハイブリッドクラウド環境」でのバッチ処理実行環境を提供する。SecureOnlineにパブリッククラウド上のデータを一旦取り込むことで、セキュアな環境下でバッチ処理が実行できるほか、「仮想マシンCPUリソース保証サービス」を活用することで、バッチ処理の実行時間の予測も可能になるという。

 このメリットについて同社は「salesforce.com、Amazon EC2、Windows Azureなど、各社が提供するクラウドサービスにはそれぞれ特徴がある。企業は今後、業務システムの構築にあたって、運用の容易さやコストを考慮した上で、各社のクラウドサービスを組み合わせて利用することが予想される。その場合、オンプレミスのシステムと連動させるため、パブリッククラウド上のデータをバッチ処理してオンプレミスのシステムに反映させる必要がある。ここで業務システムからパブリッククラウドに直接アクセスしてデータを取り込むのは、セキュリティのリスクが大きい。新サービスでは、パブリッククラウド上のデータを一度SecureOnlineに取り込み、セキュアなバッチ実行環境で処理した結果をオンプレミスのシステムに反映できるため、リスクが低減できる」としている。

 同社はこれまでにも、salesforce.com上で営業向け顧客情報提供サービスを構築し、salesforce.com内のデータをSecureOnline上のバッチ実行環境に取り込むシステムを構築した経験がある。今回は、Amazon EC2のサービスを提供する米国子会社の技術者とともに、Amazon EC2、GoGrid、Rackspace、Windows AzureなどとSecureOnlineの連携について検証。機能面・性能面で一定の評価を得たことから、salesforce.com以外のクラウドサービスにも展開する方針としている。




(川島 弘之)

2010/4/8 14:00