NEC、欧州に通信事業者向けクラウド事業推進センターを設置


 日本電気株式会社(以下、NEC)は5月6日、通信事業者向けクラウドビジネスを推進する「ヨーロッパクラウドコンピテンスセンター」を、NECヨーロッパ傘下のNECイベリカ(所在地:スペイン・マドリッド)を中心に設置すると発表した。

 欧州における通信事業者向けクラウド、IT/ネットワークソリューションの提供体制を強化するのが目的。これまでの実績としては、2008年に欧州通信事業者であるテレフォニカグループ本社とクラウド分野の広範な協業に合意。2009年7月には、テレフォニカ・スペインが中小企業向けに開始したSaaSプロジェクトを受注し、SaaSサービス基盤の構築、運用をNECが担当している。

 NECによれば「データセンターを活用した新しいサービスの拡大に努める世界のメガキャリアに対して、当社は国内外の通信事業者向けシステム納入実績やノウハウを生かし、ITとネットワークの融合技術によってキャリアクラウドビジネスをグローバルに展開する」との考えで、欧州域内における事業戦略策定、域内での最適ソリューション創出、サポート体制の強化などを目指す方針。また、今後は同センターを欧州のみならず、中南米やそのほかの通信事業者へ向けた事業展開にも活用していくという。

 なお今回の施策は、「中期経営計画V2012」で掲げたグローバル5極(中華圏、アジアパシフィック、EMEA、北米、中南米)における“One NEC体制化”に向けたもの。この中で、2012年度に海外売上比率25%の達成を目指すなど、海外への意識を強めている。




(川島 弘之)

2010/5/6 17:24