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とんがったサービスでライブドアの技術力を証明する
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ライブドア・ブログチームグループリーダー佐々木氏
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今回のゲストはライブドアでlivedoor Blogを始めとするCGM系サービスを担当している佐々木大輔さんです。
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佐々木 大輔(ささき だいすけ)
株式会社ライブドア メディア事業部 ソーシャルメディア部 コンシューマメディアグループ 所属
ブログチーム グループリーダー
1980年生まれ 27歳
宮城教育大学卒業
2003年6月 インフォバーン入社
2005年6月 株式会社ライブドア入社(※)
下記のCGMサービスのディレクションを担当。
- livedoor Blog
- livedoor Reader
- livedoor クリップ
- nowa
- Fastladder
(※)株式会社ライブドアは2007年4月2日に株式会社ライブドアホールディングスへ社名変更
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■ ココログの企画などに関わる
小川氏
ライブドア入社前はインフォバーンだったんですね。
佐々木氏
そうです、前職はインフォバーンです。小林さんにはとてもお世話になりました。インフォバーンに入ってすぐに、TypePadベースでココログのリリース(2003年12月)のお手伝いをさせていただきました。主な業務は、「ただの日記といわれていたブログをいかに広めるか」を考えることでした。懐かしい思い出ですね。当時は手っ取り早くブログを認知してもらうには有名人に使ってもらうのがいいのでは、ということで、木村剛さんや眞鍋かをりさんなどにブログを書いていただくことにしました。
小川氏
WBS(ワールドビジネスサテライト)でブログ特集が初めて放映されたときは木村さんと一緒に僕もインタビューを受けましたよ(笑)。
人選は佐々木さんが?
佐々木氏
インフォバーンでは、芸能人の人選から交渉まで一貫してやりました。大変でしたね、当時は。事務所を通さずに何かを発表するということに対して理解が得られず、95%断られる、みたいな感じでした。
小川氏
それがどうしてライブドアに?
佐々木氏
ブログだけではなく、Bloglinesやdel.icio.usのようなサービスが一気に登場しはじめていて、私も開発に関わりたいと思ったんです。そこで、開発力があるライブドアを選びました。
■ 現在はライブドアの4つのCGMサービスを担当
小川氏
いまはlivedoor Readerのご担当だけですか?
佐々木氏
いえ。最初livedoor Blogの担当になり、その後新規案件の担当につきました。現在はlivedoorクリップ、livedoor Reader、nowaを含む4つのCGMサービスを担当しています。
小川氏
収益源は?
佐々木氏
広告がメインですね。純広告、アフィリエイト、ユーザー課金、コンテンツマッチなど。全体的に偏りがなく、トータルで収益を稼いでいる感じです。2003年にブログサービスをはじめたときには、まだコンテンツマッチ広告もなかったですし、アフィリエイトも今ほど収益があがるようになるとは考えていませんでした。また、ユーザーのブログに企業が広告を出すことも考えづらかったですから、それを考えるとよくここまできたな、と感慨深いものがあります。
小川氏
僕はそのころ、カレンさんとBOXERBLOGベースで日産のTIDA BLOGや味の素さんのブログを扱わせていただいてました。ブログを媒体として広告にするということは当時は難しく、マーケティングに使うというのがカレンさんのアイデアで、僕らはイントラに持ち込もうとがんばってた時期です。ところでlivedoor Blogリーダーからlivedoor Readerに名称を変えたのはなぜ?
佐々木氏
うーん。システムをイチから作り直したので、まったく別物だったというのが大きいですね。また、Blogリーダーという名前もブログしか読まないみたいでよくないし、違うブランドにするというのが自然だという判断でした。
■ livedoor Readerの利用者が14万人を超える
小川氏
ライブドアではRSSという用語を使ってますか、それともフィード?
佐々木氏
「フィード」と呼ぶことが多くなってきていますが、「フィード(RSS/Atom)」のように併記する場合が多いです。
小川氏
どう呼んでも一般ユーザーには敷居の高い言葉で、お互い苦労しますね(笑)、ブログみたいにさくっと認知されたらいいんですけど。リーダーの普及率ってどのくらいだと思います?
佐々木氏
私の身の回りはさすがにリーダーを使っている人は多いですが、個人的な友人レベルだと10人に1人とかそれより少ない、という感じがしますね。それでもブラウザのブックマークが30~40個になっている友達もいて、リーダーを使えばいいのにな、と思いますけどね(笑)。私が直接説明して、細かい設定までしてあげれば使ってくれるんですけど、歯がゆいです。
小川氏
なかなかマスには届いていない。
佐々木氏
マスに届いたな、というのはブログやmixi、YouTubeくらいじゃないですかね。あとはニコニコ動画とかね。
実際、周りを見ているとケータイは使うけどPCのWebは漫画喫茶でホットメール使うくらいという人も多いですよね。
総務省でケータイのネット利用が追い越したのでは、という記事が出てましたけど、パソコン壊れても放置の人が多いみたいですし。
2003年くらいは2ちゃんねるが楽しいからパソコン使っていたけど、最近パソコンをもたなくなった、という友達がいたんですね。彼に最近、ニコニコ動画を教えたら、それが楽しいというのでまたパソコンを買ったんです(笑)。そういうインフルエンスがあるサービスにしないといけないですね。
小川氏
任天堂のDSがいい例でね。ポッキーっていうお菓子あるじゃないですか。
佐々木氏
はい。
小川氏
最近、あれの地方限定をお土産に買ったんですね。それの裏にクイズが4つあって、それぞれを5秒以内で答えていけと。友達と何問回答できたか競えというんです。これって、企画したひとは絶対DSに影響受けていると思うんですよ。
佐々木氏
かもしれませんね。
■ フィードリーダーの事業化はまだ模索中
小川氏
DSなみとはいかないだろうけど、そのくらいいろいろな人に影響を与えるサービスを、フィードで作ればいいんですけどね。
佐々木氏
フィードリーダーは全員が使うサービスになるとは思わないですけど、忙しい中で使うにはいい。それにしても、もう少し使われてもいいんじゃないかなあと思います。そうだ、インプレスさんの「できるシリーズ」で、「できるポケット+ RSSリーダーで毎朝の情報収集力が10倍アップする本」、という本がでるんです。そこにlivedoor Readerが紹介されているんです。
小川氏
それはいいですね。紙媒体での普及は効果があると思います。
佐々木氏
livedoor Reader自体のビジネスモデルはまだ見えてないですけどね。livedoor.comというポータルの中でRSSを出しているサービスはいっぱいあるわけですから、それを読むサービスとしてシナジー効果があるとは思っていて、それ自体は当初から考えていたことではあるんですけどね。現状では、とんがったサービスとして広告塔というか技術者が力を見せられるという、宣伝効果を期待しているところです。
小川氏
僕が手がけているmodiphiはフィードリーダーそのものとは思っていないんですけど、外部のフィードを閲覧管理することができるので、その機能を他社にOEMすることは考えてますね。リーダーそのものをではなくて、RSSを扱う機能を提供するという感じです。MT(Movable Type)を使ってブログの特徴は持っているけどブログにはみえないというサイトを作ることが普通になってきていますから、同じことが起こると思う。
佐々木氏
「iGoogle」や「マイミクシィ最新日記」もリーダーっぽい機能ですしね。
小川氏
まあ、僕的にはあくまでフィードを出す側のサポートをしていくことがメインの仕事ですけどね。
■ Web 2.0的サービスやプラットフォームの普及に合わせたサイト作りを考える
佐々木氏
そうだ、ちょっと気になるのが、たとえばasahi.comでは記事ひとつひとつのリンクがパーマリンクでないんですよ。
小川氏
ええ??ほんと?
佐々木氏
ええ。だから時々記事のリンクが変わっていて、Aという記事のブックマークをしていて、久しぶりにその記事のURLをクリックしたら別の記事にいっちゃうということがよくあるんです(苦笑)。ソーシャルブックマークやフィードリーダーのようなサービスに対して、ちゃんと作りを合わせていくことを考えた方がいいんじゃないですかね。
小川氏
その通りですね。
これは最近の僕の主張なんですけど、新聞サイトって、記事自体はWebに移したけど、メディア自体はちゃんとWebに移植してないと思うんですよ。単にWebサイトに記事を載せているだけ。そうじゃない、ほんとは新聞という紙のメディアを考案したときのように、Webに即した新しい“新聞”を考えるべきだと思うんです。パーマリンクはWeb 2.0時代の基本中の基本ですよね。
佐々木氏
リーダーの提供者としてもいろいろなことを考え始めています。
社内でもいろいろなリーダーの活用の討議しているんですけど、たとえば2ちゃんねるのユーザーが2ちゃんねる専用のブラウザをダウンロードしてますよね。そういうめんどうくささを乗り越えているなら、リーダーを使うめんどうくささも乗り越えてくれるかもしれないじゃないですか。技術者は速さとか機能を追うのが仕事ですけど、私たちはディレクター職として、違う考え方をしなくてはならないですから。
小川氏
モバイルはどうです? livedoor Readerはケータイに対応していると思いますけど。
佐々木氏
うちは大量のフィードを読むことに特化しているんですね。モバイルでそれをするのは大変です。モバイルなら考え方を変えないとならないかなと思っています。Google ReaderがWiiに対応しているけど、Wiiで何百ものフィードを見るのは大変です。YouTubeやFlickrのフィードなどだけを選別して、動画や写真だけをWiiでみるのはいいかもしれないですね。
モバイルだけのRSSリーダーだけで、それで完結するなら別ですけどね。
小川氏
僕はエル・カミノ・リアルの木寺さんと仲がいいんですけど、あそこはモバイルに特化してますね。PC版もあるにはあるけど。
佐々木氏
それもありだと思いますよ。最近の学生には、レポートや卒論をケータイで書く人もいるらしいですから(笑)。
小川氏
マジですか(驚)、それは知らなかった…。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社サンブリッジ i-クリエイティブディレクター。
東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。
2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、現在サンブリッジにて起業準備中。
著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2007/09/11 04:20
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