“HD解像度でいつでもどこでもビデオ会議”を実現した「Movi」の価値とは?


テクニカルサポートマネージャの中村昌弘氏
Moviのクライアント画面

 日本タンバーグ株式会社は6月24日、モバイルビデオ会議ソリューション「TANDBERG Movi」(以下、Movi)の説明会を開催。テクニカルサポートマネージャの中村昌弘氏が、その特徴を説明した。

 Moviは、SIPベースのモバイル向けのビデオ会議ソリューションで、PCにインストールするクライアントソフトが提供されており、USBカメラ、マイク付きヘッドセットなどをPCに接続して利用する。同社では、さまざまなビデオ会議システムを提供しているが、その中でのMoviの位置付けを、中村氏は「社員に配布されているPC資産を使って、いつでもどこでもWeb会議をできるようにするもの」と説明する。

 製品自体は以前から提供されていたが、3月にHD品質に対応した新版を発表。720p/30fpsの高精細映像と、CD音質の音声をサポートし、モバイル環境でも高品質のビデオ会議が可能になった。また、管理機能を強化し、管理システム「TANDBERG Management Suite(TMS)」、ビデオ会議サーバー「Video Communication Server(VCS)」といった、同社の既存インフラ製品を利用するように構成を変更。TMS/VCSとの連携で、最大帯域の割り当てなどを含めた数千名規模でのユーザー管理、インバウンドのポリシー変更を必要としないファイアウォール越えなどをサポートしている。

 通話はMovi同士でも可能なほか、既存のH.323ビデオ会議端末との互換性を確保。さらに、TMSに登録されている電話帳を参照したり、プレゼンス情報を共有したりする機能も備えており、さまざまな端末と混在した環境でも問題なく利用できる。対応する帯域幅は128kbps~8Mbps。

 利用にあたっては、TMS、VCSのハードウェアと、TMS向けの「Movi TMS追加ユーザーライセンス」の購入が必要。またVCSの扱うセッションが増えるため、それに応じた追加のライセンスも購入する必要がある。マイクやカメラはサードパーティ製品も利用できるが、日本タンバーグではMoviに最適化されたマイク付きHDカメラ「TANDBERG Precision HD USBカメラ」も用意している。

Moviと既存のインフラ製品との連携で、さまざまなメリットを得られるというMoviの導入例TANDBERG Precision HD USBカメラ

 なお、Moviの利用のためにはTMS、VCSといったインフラの整備にコストが必要となるため、「新規のユーザーというよりは、すでにH.323のビデオ会議端末を使っていて、ビデオ会議による生産性向上の効果をご存じのお客さまを主な対象として想定している」(中村氏)とのこと。「こうしたお客さまがVCSやTMSをお持ちであれば、ライセンスの追加購入ですぐにMoviに対応可能だ」とした。

 同社では、Moviによって、導入が広がりつつある他社のWeb会議システムに対抗したい考えで、さまざまなビデオ会議端末、コーデックなどと合わせ、品ぞろえが拡張されたことを強調。幅広い製品ポートフォリオを武器に、ビデオ会議ソリューションの拡販を進めたいとしている。




(石井 一志)

2009/6/24 13:34