レノボ、薄型・軽量ハイエンドノートPC「ThinkPad T400s」-WiMAXにも対応


ThinkPad T400s

 レノボ・ジャパン株式会社は6月24日、14インチワイド液晶を搭載したハイエンドノートPC「ThinkPad T400s」を発表した。同日より販売を開始する。価格は、19万円(税別)から。

 T400sは、幅337mm×奥行き241mm×高さ21.1~25.9mm、重量約1.8kg(6セルバッテリ装着時)と、薄型・軽量が特長のノートPC。薄型モバイルノートPC「ThinkPad X300」で採用されたテクノロジーを取り入れながらも、Tシリーズが持つ信頼性やパフォーマンスを継承しているのが特長。CPUはインテルCore 2 Duo SP9400、チップセットはモバイルインテルGS45Expressチップセットを採用。LEDバックライト14.1型WXGA+(1440×900ドット)TFT液晶を搭載し、メモリは最大4GB、HDDは最大250GBを搭載可。HDDの代わりに最大128GBのSSDを選択することも可能。そのほか、Gigabit Ethernet、インテルWireless WiFi Link 5100AGN(1x2)、Bluetooth v2.1、指紋センサーなどを搭載している。

 薄型・軽量化では、X300で採用したハイブリッドCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を用いたトップカバーのほか、タッチパッドとパームレスト部分の高さを同一にすることで、LCD表面へのダメージを軽減するなどして薄型化を実現。軽量化では、インテルのSFF(Small Form Factor)パッケージと同社独自の基板実装技術HDI Generation 2により、T400と比べて、基板面積で約62%、基板重量で約83%の削減を実現している。これらにより、T400と比べて、約25%薄く、約20%軽くなっている。そのほか、LEDバックライトを採用した液晶パネルを搭載。これにより、T400と比べて1.9mm薄く、130g軽くなっている。また、消費電力を削減しながら、明るさを20%以上向上している。


SFFとHDIにより高密度実装を実現LEDバックライト液晶パネルにより、薄くて軽くて低消費電力に

 堅牢性では、ハイブリッドCFRPカバーにより、耐衝撃性能を向上。また、新たに搭載した超薄型LCDパネルも、従来のLCD Roll Cage以上の耐衝撃性能を実現。省電力性能では、熱設計を改良することで、筐体表面温度を最大5%低減。また、X300でも採用されている省電力技術を利用することで、使わない機能は電力使用を極力ゼロにするなど、バッテリ消費を削減している。

使用頻度の高いDelキーとEscキーを縦長に拡大

 ユーザビリティの面でも改良を実施。ユーザーの使用頻度の高いDelキーとEscキーのサイズを拡大したり、キーとキーのすき間を狭くすることで、食べかすやほこりなどが入りにくくしている。また、Caps LockなどのLED表示が独立した場所にあるためわかりにくいという声を反映し、LED表示付きのボタンも採用。そのほか、指紋センサーにも稼働状況がわかるようLEDで状態を表示する機能が組み込まれた。

 パームレストと同じ高さになったタッチパッドは、パームレストと区別できるようUVドットを表面に印刷。これによりパッドエリアの認識がしやすくなっている。また、機能面では、マルチタッチ機能に対応。スクロールや移動、ズームなどを容易に行えるように改良されている。


キーボードのクリック感など、使い心地をさらに改良日本の伝統工芸「印傳(いんでん)」をヒントにしたタッチパッドLED搭載で状態を確認しやすくなった指紋センサー

 7月以降には、WiMAX通信モジュールを搭載したモデルも発売する予定。同社大和事業所 研究・開発 製品開発統括担当の磯田肇氏は、「USBタイプのWiMAXアダプタとT400sにWiMAXを内蔵したモデルで実証テストをしたところ、内蔵モデルの接続性能が高いという結果が得られた」と、WiMAX通信モジュールを内蔵するメリットを強調。また、同社独自のAccess Connectionsを利用することで、簡単に素早く接続したり、電波状態に応じてWi-FiとWiMAXをシームレスに切り替えられるなどのメリットを紹介した。

同社製品事業部長のマット・コドリントン氏

 同社製品事業部長のマット・コドリントン氏は、「ThinkPadは、堅牢性や信頼性の高さ、ThinkVantageテクノロジーなどによりTCOを削減できる点、またユーザビリティやセキュリティなどを評価していただき、多くの企業で選ばれている。今回発表したT400sは、企業で使われるメインストリームのノートPC分野において、薄型・軽量のハイエンドモデルとして投入する製品。また、価格に関してもこれまでより40%下げた19万円から提供する」と、ハイエンドノートPCながら、手ごろな価格設定にすることで、企業のメインストリームノートPC分野を攻略する考えを示した。





(福浦 一広)

2009/6/24 16:42