米VMwareダットンVPが語る、アジア太平洋地域を重視する理由
「VMwareの売り上げの7割は英語圏。英語圏以外の地域で販売を広げることが重要」、そう語るのは、米VMware COOのトッド・ニールセン氏。そのニールセン氏のもとで、APAC(アジア太平洋)地域を担当するのが、バイスプレジデント兼APACゼネラルマネージャのアンドリュー・M・ダットン氏だ。今回、VMworld 2009会場において、APAC地域のプレスを対象としたグループインタビューが開催された。同社がAPAC地域を重視する理由、今後の取り組みなどを伺った。
米VMware COOのトッド・ニールセン氏 | 米VMware、バイスプレジデント兼APACゼネラルマネージャのアンドリュー・M・ダットン氏 |
―VMwareにとって、APAC地域はどのような位置づけですか?
ニールセン氏
VMwareが優先して実行しているのが、「仮想化環境へのビジネスアプリケーションの移行」「英語圏以外での販売拡大」「組織構造の変革」の3つです。
このうち、APACに関係があるのが、英語圏以外での販売拡大と組織構造の変革です。この2つは関連しており、これまで中央に権限が集中していたものを、各地域の事情を配慮できるよう、権限の分散を行っています。こうした取り組みにより、例えば日本地域ではローカライゼーションやサポートを強化するといった個別の取り組みを実現しています。
また、こうした取り組みにより、英語圏以外の販売を広げることも重要です。というのも、VMwareの売り上げの7割が英語圏であり、これを改善することがVMwareにとって大切なことだからです。
ダットン氏
ニールセンが説明したように、APACは非常に可能性のある地域です。台頭する中国、成長する日本、アウトソーシングでぬきんでているインド、ITが成長しているベトナム、効率性と成長性で西側社会と同様なニュージーランドというように、各国ごとにさまざまなビジネスモデルが考えられ、いわば世界中を見渡しているような地域といえます。VMwareにとって非常に重要な地域がAPACなのです。
―具体的に、どのような取り組みを行っていますか?
ダットン氏
まずは製品のローカライゼーションです。製品だけでなく、広告、パンフレットなどお客さまが求めているものにマッチさせるということです。
また、それぞれの国に、適切な方法で対応することも重要です。例えば日本の場合、円高ドル安となっていますが、ドルベースではなく円ベースで取引できるようにするといった取り組みがそれにあたります。これは非常に重要なことです。APACの通貨変動は激しいため、こうしたイニシアチブを取り始めています。
―特に重視する国はありますか?
ダットン氏
日本、中国、インドですね。これらの国では、仮想化というエンジンのカギが回されたばかりの状態にあるからです。なので、テクニカルリソースやアーキテクトのお手伝いをしたり、顧客が求めるビジネスモデルを提示したりすることが重要となっています。
また、取り組む入り口は一つではありません。地域のスキルレベルを考えた場合、分析力やアーキテクチャ性が優れているかどうか、そしていかに成功するかが重要です。VMwareの製品により、どのような変革が得られるかを理解していただくよう、取り組んでいます。
―APAC全体で、どの程度成長しているのでしょうか?
ダットン氏
顧客数で見ると、1万9000以上抱えています。この数は2年ごとに倍増しています。また、昨年度は30%の成長を実現しています。パートナーも3900社を抱えています。社員の数も40%増加しています。これは中国・インドといった地域でも同様です。
また、サービスセンターをAPACに追加する計画も持っています。これにより、販売だけでなく、ビジネスのオペレーションの中核を構築していきたいと考えています。というのも、APACには高いスキルレベルが存在しているからです。
教育という面でも大きな成果が出ています。VMwareの認証を得た人は、昨年10倍に増えています。
―実際、各国で仕事はしやすくなっているのでしょうか?
三木氏(ヴイエムウェア株式会社代表取締役)
入社してから、丸4年になりますが、トップが変わってグローバル化への理解が高まっていると実感しています。
さきほども説明がありましたが、日本で重視されるのはサポートとローカライゼーションです。これは急速に改善しています。
―ありがとうございました。
2009/9/4 00:00