サイボウズ、誰でも使えるSaaSを目指した「かんたんSaaS」を発表

デヂエベースの基盤で業種特化型のアプリケーションを提供

かんたんSaaSのコンセプト
かんたんSaaSのアプリケーション例
マーケティング部 部長の野水克也氏

 サイボウズ株式会社は9月15日、業務改善用のアプリケーションを手軽にSaaS形式で利用できる「かんたんSaaS」を発表した。10月より試験サービスを開始する予定。

 かんたんSaaSは、同社のWebデータベース「サイボウズ デヂエ」をSaaS用に改良してプラットフォームに採用したサービス。専用の開発言語を用いることなく、デヂエの開発の容易さとシンプルな操作性を生かしてアプリケーションを構築できるのが特長となっている。

 同社マーケティング部 部長の野水克也氏は、「今あるSaaSは、高額なオーダーメイドショップのようなもの。パッケージソフトを使うよりも難しいのが現状だ。そのため、中小企業がSaaSを使うには難しすぎる」と、中小企業にとって現状のSaaSは敷居が高いサービスであると指摘。

 「かんたんSaaSのコンセプトは、“500円で買えて10秒で理解できる”というもの。1ユーザーあたり500円から購入でき、アプリケーションも10秒で理解できるくらいシンプルなもの。ITツールのショッピングモールのようなサービスにしていきたい」と説明。開始当初に提供を予定しているアプリケーションは、顧客台帳、商談報告書、見積り依頼受付、お問い合わせ・クレーム対応管理、社員名簿、日報、報告書、情報共有掲示板、よくある質問、勤怠管理、感染状況確認、売上情報。

 アプリケーションに関しては、特定業種に特化したアプリケーションを幅広く提供する予定。「かんたんSaaSの提供パートナーには、IT以外の分野で多くのノウハウを持つ企業と協業する予定。現在、5社の協業パートナーが参加を予定しており、今後も特定業種や特定販路に強いパートナーと協業をしていきたい」と述べた。


提供予定のアプリケーション同社Webサイトでの販売のほか、SaaSパートナー経由で提供参加予定の協業パートナー

 開始当初は、同社がSaaSプラットフォームを提供する予定。価格はアプリケーションにより異なるが、月額500円/ユーザー(インフラ利用料込み)から。同社のほか、パートナー各社より販売される。

代表取締役社長の青野慶久氏

 同社代表取締役社長の青野慶久氏は、「サイボウズは、6年以上ASPサービスを展開している。ASP事業は右肩上がりで伸びているが、パッケージに比べると見劣りがしているのが現状だ」と、さらなる成長のためにSaaS事業に注力する考えであると説明。今年5月には大規模企業向けにサイボウズ ガルーンSaaSの提供を開始しており、今回、中小向けにかんたんSaaSを提供することにしたと発表。「これまで中小向けのSaaSが伸びていなかったのは、簡単さや価格が不十分だったから。かんたんSaaSはこうした問題を解決するもの」と、簡単に利用できるSaaSという点を強調した。





(福浦 一広)

2009/9/15 16:45