ブライトコーブ、SaaS型動画配信サービス「Brightcove」新版

秒単位の視聴動向の分析やiPhoneアプリ向けAPIなど強化

 ブライトコーブ株式会社は11月16日、SaaS型動画配信サービス「Brightcove」の最新版「Brightcove 4」を発表した。同日より利用が可能。既存ユーザーは無償でBrightcove 4にアップグレードできる。

 Brightcoveは、動画コンテンツの管理および公開を行うシステムを提供するSaaS型の動画配信プラットフォーム。動画コンテンツやプレイリストの管理、エンコーディング、プレーヤの作成とカスタマイズ、広告サーバーとの連携、動画視聴レポートまでをワンストップで提供する。

 最新版では、動画視聴解析ツールの強化、ライブストリーミング対応、iPhone SDKの提供、クラウドエンコーディングなどの機能を強化。

 動画視聴解析ツールでは、ユニークユーザー数の分析のほか、動画がどの時間まで再生されていたかを確認する機能などを用意。これを利用することで、何秒目まで動画をみていたのかといった分析が行えるので、配信している動画の問題点を分析することが可能。

 今回新たにサポートしたライブストリーミング配信は、プレイリストやメタデータのサポートのほか、プリロール広告の挿入に対応。Jストリームやライムライト・ネットワークス、アカマイといった主要CDNベンダーをサポートしている。

 iPhone SDKでは、Brightcoveプレーヤコンポーネントfor iPhoneやBrightcove Media API用Objective-Cライブラリなどを提供。これらを利用することで、独自のiPhoneアプリ内で、Brightcoveの動画を利用することができる。

 クラウドエンコーディングでは、あらゆる通信環境に対応できるように機能を強化。さまざまなフォーマットの動画のエンコーディングに対応するほか、200kbpsから2.6Mbpsまで、さまざまな通信帯域に対応できるダイナミックデリバリーが拡張されている。また、同一コンテンツをストリーミングとプログレッシブダウンロードの双方で配信したり、PCやモバイルなど異なる視聴環境向けへの配信を可能にするユニバーサルデリバリーサービスが提供されている。

 これ以外に、IP制限によるイントラネット配信への対応、Brightcoveユーザー間での動画コンテンツの共有、動画プレーヤから直接Twitterにつぶやく機能なども用意されている。

 小規模配信向けの「Basic」と中~大規模配信向けの「Pro」の2つのエディションを用意。価格は、プラットフォーム利用料と視聴数に応じた月額従量課金で構成される。プラットフォーム利用料は、Basicが年間120万円、Proが420万円。Proのみ別途初期費用40万円が必要。

代表取締役社長の橋本久茂氏

 同社代表取締役社長の橋本久茂氏は、「YouTubeなどの動画共有サイトを使って動画を配信する場合、動画の時間が制限されたり、ブランディングが難しかったり、既存システムとの連携など、さまざまな問題が存在する。Brightcoveを利用することで、こうした問題を解決できるほか、最新版で提供する詳細な分析機能を利用して動画の視聴傾向を分析することも可能」と、コントロール可能な動画配信が行える点を強調。「ワールドワイドで750社以上が利用しており、国内でも40社程度が利用している。リーマンショックで広告宣伝費を削減された影響を受け、当初予想したようには伸びていないものの、売上は着実に伸びている。2010年の上半期中には、国内で70社以上で利用していただくことを目指す」と、積極的に国内展開していくと述べた。





(福浦 一広)

2009/11/16 14:00