トレンドマイクロが2010年事業戦略を発表-多様化するセキュリティニーズに応える
取締役 日本地域担当の大三川彰彦氏 |
今後の注力ポイント |
戦略商材の売上構成比を18%に |
トレンドマイクロ株式会社は1月21日、2010年の法人向け事業戦略説明会を開催。同社取締役 日本地域担当の大三川彰彦氏が出席し、クラウド環境への対応など、変化するIT環境に最適化したソリューションを提供する考えを示した。
大三川氏はまず、2010年のキーワード「Security That Fits」を紹介。「激変するIT環境の中で、われわれのセキュリティ商材をいかにして新たな環境にフィットさせるかがテーマとなっている。別の言い方をすれば、ユーザーが困っていることに対して、ピンポイントでソリューションを提供することが重要ということだ」と、大きく変化するIT環境に応じた取り組みを強化すると発表。
その中で重要になるのがクラウド環境への対応。「情報資産が急増したり、世界経済の影響を受けるなど、クラウドに対する関心が急速に高まっている。IT投資の効率化や、経済的に全世界がつながっていることを考えると、クラウドが進むのは事実」と、クラウド環境を最優先にして取り組む考えを示した。
このクラウド分野では、大きく3つの取り組みを紹介。まず一つ目が、データセンター向けに仮想化環境のセキュリティソリューション。これは同日発表された「Trend Micro Deep Security」をはじめ、クラウドサービス事業者に対するソリューションの提供、技術的なアライアンスなどが含まれている。二つ目は、SaaS/PaaS/IaaSといったパブリッククラウド向けのデータ保護ソリューションの提供。これは、インターネット経由で社内に潜在する脅威を可視化するサービスも含まれる。そして三つ目は、ネットワークにつながるさまざまな端末に対する監視・モニタリング。ユビキタスコンピューティング時代のセキュリティ対策を目指すとしている。こうした取り組みを行う上で、それぞれの分野で強みを持つ企業と積極的に協業しながらソリューションを提供するとした。
こうした取り組みにより、売上に占める戦略商材の比率を、2010年には18%まで高めると発表。「全体では既存顧客に対し、深掘りをすることでニーズにマッチした製品を投入していく。そして、ここ数年出してきた戦略商材を積極的に取り組んで、比率を高める」と、多様化するニーズに応えることで成長していくと述べた。
2010/1/21 14:20