Windows phone向けのグループウェアアプリ「サイボウズモバイル KUNAI」

今後はiPhone版などその他のスマートフォン対応も

サイボウズモバイル KUNAI for Windows phoneの画面イメージ
代表取締役社長の青野慶久氏

 サイボウズ株式会社は2月8日、グループウェアをスマートフォンから利用するためのアプリケーション「サイボウズモバイル KUNAI for Windows phone」(以下、KUNAI)を発表した。大規模向けグループウェア「サイボウズ ガルーン 2」を、Windows Mobile端末から利用できるようにするアプリケーションで、3月末までに発売する予定。

 サイボウズモバイル KUNAIは、グループウェアをスマートフォンから利用できるようにするアプリケーション。自動シンク、スケジュール、ワークフロー、社内メール、Eメール、アドレス帳の確認といった機能を備えるほか、それぞれのアプリケーションで、添付ファイルの閲覧を可能にしている。

 また、企業での利用となることから、セキュリティや管理の機能も充実させた。紛失時に、端末を初期状態に戻すためのリモートワイプ、パスワードワイプ機能を搭載するほか、ブラックリスト、ホワイトリストによって、端末上で稼働するアプリケーションに制限をかけることが可能。さらに、カメラやカードリーダーなどの動作を制限するデバイス管理の機能を備えた。これらのポリシー設定は細かく可能だが、ユーザーがとまどうことのないよう、セキュリティの強・中・弱の各レベルや利用シーンに応じたポリシーテンプレートも用意されている。

 代表取締役社長の青野慶久氏は、「紙やPC、(一般的な日本の)携帯電話といったものにもそれぞれ良さはあるが、PCは通信カードが必要なだし、メール1通開くまでに時間がかかる。紛失時のリスクをカバーするために、暗号化などのソリューションも必要だ。携帯電話も本格的に仕事で使おうと思ったら、画面が小さいなどの問題があり、スマートフォンの方が便利ではないだろうか」と述べ、モバイルで利用する端末として、スマートフォンに着目した理由を説明。「すぐに利用でき、コスト削減も可能なKUNAIで、信号待ちの時間などのすき間時間が、生産性の高い有意義なものに変わる」とメリットを強調した。

 まずは、グループウェア側が「サイボウズ ガルーン 2」、スマートフォン側がWindows Mobile 6.1Pro/6.5Proと、対応する製品が限られるものの、今後は中小規模向けグループウェア「サイボウズ Office」やiPhone向けのKUNAIなど、対応製品を拡充していく予定。価格は1ユーザーあたり1500円からになる予定。

 対象とする主なユーザー層として、サイボウズではビジネスリーダー、経営層を想定。KUNAIを利用することで、出張や移動が多くとも、業務スピードを落とさずに効率よく仕事をしていける点をアピールし、利用者の増加するスマートフォン市場への訴求を図っていくとした。その一環として同社では、抽選で100社に最新スマートフォンを30日ないし60日無償で貸し出す「試 KUNAIキャンペーン」を、6月30日まで実施する。

 「KUNAIは忍者が便利に利用していた道具で、漢字で書くと『苦無』。KUNAIを利用すれば、重いノートPCやごちゃごちゃした資料を持ち歩かなくて済む。ビジネスマンを苦しみから解放したい」(青野社長)。

エレベーター待ちや信号待ちなどのすき間時間を有意義なものにできるというiPhone向けや「サイボウズ Office」対応版など、多数のモバイル製品が提供される予定

 また今回は同時に、BlackBerryに対応する「サイボウズモバイル Sync for BlackBerry」も発表された。スケジュール、Eメール、アドレス帳へのシンク、添付ファイル閲覧といった機能を搭載。こちらもグループウェアは「サイボウズ ガルーン2」に対応し、サイボウズリモートサービスの利用者は無料で利用できる。

 なおサイボウズでは、スタートしたばかりの2011年1月期を「大公開時代」と位置付け、さまざまな製品をリリースする予定。KUNAIを初め、「サイボウズ ガルーン2」や「サイボウズ Office」の新バージョン、マイクロソフトとの提携によるSharePoint環境向けのグループウェア、かんたんSaaS、サイボウズLive、未発表のグループウェア関連製品などの提供を予定していると説明した青野社長は、今後の展開に期待してほしいとコメントしている。

サイボウズモバイル Sync for BlackBerryも提供される2011年1月期をサイボウズ 大航海時代と位置付け、多数の製品を提供するという





(石井 一志)

2010/2/8 17:20