NEC、PLM製品「Obbligato II」に含有化学物質管理機能を追加


 日本電気株式会社(以下、NEC)は3月2日、欧州連合(EU)の化学物質規制「REACH」などに対応し、環境配慮型設計を支援する「Obbligato II/含有化学物質管理ソリューション」を発売した。出荷は6月30日より。

 新製品は、製品情報を統合BOM(部品表)で一元管理する「Obbligato II」をベースに、設計段階から全社レベルで含有化学物質情報を管理する機能を追加したもの。統合BOMで、各部品の材料や含有化学物質情報も一緒に管理できる。例えば、REACH規制の場合、製品の構成情報と購入部品の1500物質以上におよぶSVHC(高懸念物質:内分泌かく乱性や蓄積性を有する有害物質)情報をひも付けることで、各製品におけるSVHC含有量の積み上げ集計が可能。また、企画・設計という早い段階から化学物質のシミュレーションができるので、化学物質含有の問題に対する“後戻り作業”を防止できる。

 REACHだけでなく、RoHS指令、ELV指令(EUの自動車リサイクル指令)など複数の規制に対応。JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が提唱する成型品の含有化学物質情報開示・伝達ツール「AIS」や、グリーン調達調査共通化協議会が提唱する調査回答ツール「JGPSSI」など多彩なデータ交換フォーマットにも対応する。

 また、企業ごとに定義している独自規制や新しい法規制の追加にも容易に対応。管理対象となる化学物質が変更・増加した際も、ユーザー自身がシステム上で簡単な設定を行うだけで対応できるという。Excelなどで独自に定義しているフォーマットも、インポート・アウトポートが可能。画面レイアウトやセキュリティなども変更できる柔軟なシステム基盤となっている。

 価格は625万円(税別)から。NECでは今後3年間で50社への販売をめざす。




(川島 弘之)

2010/3/2 18:00