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「技術と覚悟を持ったアフィリエイターが業界を牽引」ネットマーケティング宮本社長
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今回のゲストは、その名もネットマーケティング、というダイレクトな社名を冠した、株式会社ネットマーケティングの宮本邦久社長です。商社出身者のベンチャー経営者は、実は昔は比較的少なかった印象があるのですが、最近ではIT系においても急速に増えてきた感があります。特に旧・日商岩井出身が多く、今回の宮本さんもその一人です。アフィリエイトという事業にフォーカスした宮本さんの戦略と市場への見通しをお伺いしました。
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宮本 邦久
株式会社ネットマーケティング 代表取締役
1975年熊本県生まれ。慶応義塾大学 総合政策部卒業後、日商岩井(現:双日)株式会社に入社。ITX株式会社に転籍し、数社にてネット事業に携わる。
そこで培ったノウハウを生かし2004年7月に株式会社ネットマーケティングを設立。企業のWebプロモーション支援サービスを開始。特にアフィリエイト広告分野の戦略立案、企画構築から制作・進行管理、運用までを含むコンンサルティングサービスを提供している。
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■ 日商岩井から独立、クレジットカード会員募集キャンペーンでスタートダッシュを果たす
小川氏
僕も元は商社の出なのですけど、エンターモーションの島田さんと同じく、宮本さんも日商岩井の出身なんですね。
宮本氏
そうです。もともと日商岩井で都市開発建設部という部署にいました。ネット自体は大学がSFCであったこともあって、学生時代に深く勉強するチャンスがありました。その流れで、ネットの仕事がやりたくて商社にいったんですけど、うまく情報産業本部という、エンターモーションの島田君と同じ部署に移ることができまして、25歳でネットビジネスに関わることができるようになりました。その後情報産業本部が分社化して、ITX株式会社となりましたので自分もそこに移ったんですね。そこで経験を積んでから、2004年に独立してネットマーケティングを作りました。
小川氏
情報産業本部とITXでは具体的にどのような仕事をしていたのでしょう?
宮本氏
主に新規事業の責任者をしていました。アフィリエイト広告を手がけ始めたのもそのころです。アフィリエイトはいまでこそ周知ですけど、まだ市民権がない、知名度がなかった時代でしたね。アフィリエイトで培った知識と人脈を得たことで起業を考えることになったわけです。
小川氏
起業資金は?
宮本氏
1000万円で立ち上げたんですけど、当時からおつきあいのあったアドウェイズに出資していただきました。僕も出資しましたが4割くらいで、あとは創業メンバーとアドウェイズ、という構成です。
創業してすぐに、大手の金融機関の案件をいただけたことで、成長のメドがついたのはラッキーでした。カード会員を2万人集めてくる、みたいなキャンペーンだったんですけど、最初のキャンペーンで70日間で、450万クリックがあり、実際にクレジットカード申込みが3万8000人に達成しました。
小川氏
すごい!
宮本氏
450万クリックというと、当時では1億くらいの売上になりました。それがきっかけで一件あたり5000万円くらいの大きな案件が続いて、初年度から本当によいスタートを切ることができました。
■ SEO/SEMはやらない、アフィリエイト専業
小川氏
話が前後しますが、株式会社ネットマーケティングの事業内容というか、一言で会社を表現するとなんですか?
宮本氏
アフィリエイトのコンサルに力をいれていますので、アフィリエイトエージェント、と称しています。
昔はアフィリエイトといえば、成功報酬型でリスクがない、やらない手はないですよ、と広告していたものですけど、いまはリスクもあるよ、やるなら気をつけて始めましょうねというようにしています。例えば、アダルトやギャンブルサイトに自分の広告が出てしまうことや誤った表記をしてしまって誰かに迷惑をかけてしまうことだってあるわけで、それはリスクというべきですよね。薬事法のような規制もあるわけで、広告に“痩せる”、と書いてはいけないなど、いろいろと気をつけるべきことがあるんです。広告主にクレームが発生したらまずいじゃないですか。アフィリエイトはカンタンにお小遣いが稼げるという調子で、これだけ広がっていろんな人がやりはじめてしまった結果、業界全体での問題がでてきているのが現状ですから。
小川氏
確かに。アフィリエイト優先のブログなども急速に増えて、ある意味スパム化してますからね。
宮本氏
2006年まではアフィリエイトはやらなければ損、というムード。それ以降は意外にリスクがあるから気をつけようと。そこをうまくはじめていただくためのコンサル事業があればイイと考えたのがきっかけなんでしょうね。
個人商店的なコンサルであれば、宮本が頑張る、というスタイルでいいんでしょうけど、もっと世の中に必要とされるサービスを作ろうというように考えた。その結果、会社のスタイルも変わってきました。
小川氏
商材は?
宮本氏
二つあって、固定費が月額運営費です。毎月10万円です。もう一つは代理店フィーです。
小川氏
SEOはやってない?
宮本氏
やらないですね。アフィリエイトの専業代理店として、SEO/SEMはやってないです。お客さんが使いたいのはリンクシェアやアドウェイズ、バリューコマースなどのアフィリエイトプロバイダーのサービスですよね。うちは彼らをどう使えば効率的かをアドバイスするんです。一応商流には入らせてもらうので、われわれがお客さまからみると一次代理店で、リンクシェアなどのアフィリエイトプロバイダーは二次代理店となる形です。
業界でいうと、フルスピード、アウン、アイレップのリスティング部門と同じ立ち位置ですね。あとはネット系の広告代理店がライバルになるかもしれませんが、彼らは総合商社でわれわれ々は専門商社といえるでしょうね。
小川氏
御社の客層は?
宮本氏
クライアントは金融機関が多いですね、カード会社とかローン会社。グレーゾーン金利の撤廃で、収益が減っているので広告などへの予算は減っているのでしょうけど、費用対効果が高いものであれば生き残れるわけで、うちは重宝されています。
小川氏
PCとケータイの比率は?
宮本氏
PCのほうが断然大きいです。トレンドはケータイなんだけど、貢献度はPCのほうが大きいのが現状です。
■ 業界初のクレジットカード商品比較サイトを公開
小川氏
今後の展開としてはどうでしょう?
宮本氏
8月13日に初めてメディアを作ったんですよ。CGMを活用した比較サイトというか、@クレジットカードというサイトなんですけど、業界初といっていい「ユーザー参加型」金融比較サイトなんです。
小川氏
具体的には?
宮本氏
「書きたい」読者と「読みたい」読者をマッチングする、比較サイトです。カード商品の比較サイトなんですけど、ミソはCGM機能で、商品を比較するときに、ユーザー視点と専門家の知識を活かして比べていただくようなサービスです。
小川氏
なるほど。
宮本氏
あとはAllAdIn=アラジンというサービスにより力を入れていきたいですね。アフィリエイト運営のエンジンなんですけど、アフィリエイトの運営状況を一括管理することができます。
アフィリエイター人口は約100万人くらいだと思うんですけど、おこづかいが稼げるのは1%くらい。平均して1万円くらいがせいぜいなところです。でも、一番稼げるヒトで1億円くらい稼いでいて、そういう人たちは個人を卒業して法人化しはじめる傾向にあります。そういう企業が業界をひっぱっていると言えるでしょうね。
小川氏
なるほど。よくテレビでそういう人たちのインタビューを見る気がします(笑)。
宮本氏
彼らが収益を支えているのは、SEO/SEMの技術と、リスティングのワードをリスクをもって購入している覚悟、の両方、もしくはどちらかなんです。少なくとも「技術」か「覚悟」のどちらかを持っている人たちが会社化へ動いているのが現在のアフィリエイト業界の実情です。
小川氏
どちらのタイプのほうが成功しているのでしょう?
宮本氏
以前はSEO対策に長けているほうがいい会社だったんですけど、最近はリスティングワードをリスクをとって買うほう、つまり「覚悟」型のほうがうまくいっているようにみえますね…。
動きの速い業界ですから、われわれも同じように機敏でありたいです。2008年は、新規事業としてメディア事業に力を入れていきたいですね。
小川氏
わかりました。本日はありがとうございました。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社モディファイ CEO。東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、サンブリッジのEIR(客員起業家制度)を利用して、モディファイを設立。現在に至る。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2008/08/26 00:00
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