富士通、モバイル利用を意識した新ネットワークサービス
ネットワークサービス事業本部長代理の香川進吾氏 |
富士通株式会社は4月20日、多様な端末・アクセス回線を活用して企業内ネットワークに接続するサービス群「FENICS IIユニバーサルコネクト」を発表した。同日より販売開始する。
同サービス群は、富士通が提供するネットワークサービス「FENICS II」を強化したもの。既存のブロードバンド回線を利用して企業内ネットワークに接続が可能。特に、従業員がモバイルを使って、顧客先や出張先などから安全に社内システムを利用することを想定している。
「従来は、顧客先などで打ち合わせしたあと、帰社してから社内システムを利用するというのが一般的だったが、経営速度が高まっている昨今では、よりスピーディに安全に社内へ接続したいというニーズが増えた」(ネットワークサービス事業本部長代理の香川進吾氏)。そこで、これまでの高速性などに加え、安心・安全面で機能を強化。具体的には、認証システム連携強化や証跡の見える化、端末種別の違いを吸収するための技術などが拡張された。
ID・利用者・利用権限の関連性の見える化 | 利用者と端末をセットで認証 | 端末の違いを意識せずに利用 |
PC、ケータイ、スマートフォンで利用可能。対応キャリアは、NTTドコモ、au、イー・モバイル、ウィルコム。夏以降にはモバイルWiMAXや次世代PHSなどの高速モバイルアクセスにも対応する予定という。
認証システム連携強化では、従来のID/パスワード認証だけでなく「端末セット認証」を実現。ID/パスワードに加え、「機体認証」やウイルス対策状況などの「環境認証」を行うことでセキュリティを強化した。「機体認証が行えることで、部門ごと・端末ごとの稼働状況が見える化され、最適な端末・アクセス配置立案が可能となる」(香川氏)。
さらに、ID・利用者・利用権限の関連性の見える化も実現。ユーザーごとにアクセス制御を行う機能が搭載されたのだが、「ユーザー社内で既存の管理体系をそのままIDマップ化できるのが特徴。このため、ユーザー自身が認識できる管理体系で、そのままネットワークサービスが利用できる。FENICS IIユニバーサルコネクトの上限利用者ID数の範囲内で、ユーザー自身がIDの登録・削除などが行えるため、リードタイムの短縮にもつながる」(同氏)とする。
モバイルでの利用を想定するため、PC向けコンテンツを簡単な画面定義でケータイ向けに変換する「モバイルコンテンツ変換」も提供される。ケータイブラウザの種別に合わせて、表示サイズを自動調整するもので、画像や表組みなどケータイには必要のない要素を取り払った形で変換するため、「使い勝手がよい」(同氏)点を訴求している。
PC向けコンテンツ | 簡単な画面定義でケータイ向けに変換した例。シンプルで、無駄や不足のない変化を実現している |
今後の予定としては、同社のユニファイドコミュニケーション、映像配信、SaaSアプリケーションなどとの連携性を高め、利用できるサービス範囲の拡大に努めるとのこと。
価格は、「基本サービス」が個別見積もり。このほか「リモートアクセスサービス」「モバイルコンテンツ変換サービス」を別枠で用意しており、初期費用+月額費用の形式で提供する。月額費用の参考価格は、ケータイ500台からで4000円/IDから。
同社では回線、ハードウェア、構築・監視などネットワークサービス全体で、今後2年間に2000億円以上の売り上げを目指すとしている。
2009/4/20 15:32