「グループウェアによるオーケストラを目指す」－ネオジャパンがクラウド構想を発表

　株式会社ネオジャパンは5月11日、グループウェアを中核とするイントラクラウド構想「desknet'sオーケストラ」を発表。それを具現化する施策の一環として、株式会社エイトレッド、株式会社オウケイウェイヴ、株式会社オーシャンブリッジ、株式会社デジタル・ナレッジの4社と提携し、自社グループウェア「desknet's Ver.7」と各社の製品・サービスを連携させて同日より提供を開始する。

　「desknet'sオーケストラ」は、クラウド環境や仮想環境への関心が世間で高まる中、desknet'sシリーズの製品戦略として掲げられたもの。クラウド（SaaS）型とオンプレミス型をシームレスに接続しようとしている点が特徴で、「他社では両者をばっさり切って、最適化して使おうといっているが、接ぎ目のない均一環境の中でアプリケーションの環境を意識しない仕組み作りが大切」（取締役 企画経営室室長の狩野英樹氏）との考え方から、グループウェアを中核として、さまざまな機能をユーザーに提供するという。

　こうした考え方は別に新しいものではなく、企業情報ポータル（EIP）製品が企業内外に存在するさまざまなシステムへの入り口を担ってきた。しかし狩野氏は、「EIPを軸とするとカスタマイズもあり、高コストになる。グループウェアがポータルとなった場合はすっきりとまとまっていくし、各ベンダーからパーツ化されたガジェットの提供を受けることで、接ぎ目のないシームレスな環境ができあがる」と主張。ガジェット連携をサポートするグループウェア、desknet's Ver.7がポータルの役割を担うことで、「さまざまなアプリケーションを集約して簡単、安価にお使いいただけ、今後の変化にも自由に対応できる基盤を作れる」とした。

取締役 企画経営室室長の狩野英樹氏	グループウェアがポータルの役割を担うことで、簡単、安価にアプリケーションの集約を実現するという

　desknet's Ver.7のガジェット機能は、一般のWebサービスにくわえて、自社アプリケーションの取り込みに順次対応しているが、今回、4社の提供するサービスが新たに利用可能になる。このうち、エイトレッドが提供するのは、ワークフローシステム「X-point」とdesknet'sの連携サービスで、両製品間のシングルサインオン機能を提供するほか、「承認ステータス画面」「書類の新規作成」などの各ガジェットも提供される。

　オーシャンブリッジからは、「NXPowerLiteファイルサーバエディション for desknet's」「Net-It Central for desknet's」が提供される。前者は、Office文書内の画像ファイルを最適化して軽量化するツール。圧縮後もファイル形式は変わらないので、閲覧に特別なツールは必要ない。また後者は、ファイルサーバー上におかれたファイルをWebブラウザから簡単に閲覧できるようにする文書共有ツール。エンドユーザーがファイルサーバーにアップロードした文書を、フォルダ構造を保ったままで、desknet'sのガジェット上から確認することができる。文書はWebブラウザからの閲覧に適した専用形式に変換されるため、アプリケーションを立ち上げずに閲覧可能なほか、印刷やダウンロードなどの制限も行える。

X-pointとの連携機能	Net-It Central for desknet'sとの連携機能

　このほか、オウケイウェイヴからは、同社が展開しているQ＆Aサイト「OKWave」に容易にアクセスできる「OKWaveガジェット」が、またデジタル・ナレッジからは、desknet's上でeラーニング「KnowledgeDeliver SaaS+」の学習状況や進ちょく状況を確認できるガジェットが、それぞれ提供される。

OKWaveとの連携機能	KnowledgeDeliver SaaS+との連携機能

　狩野氏は、こうしたパートナー製品・サービスとの連携を踏まえて、「グループウェアの枠がクラウドの中ではじけたのではないか。グループウェアをポータルにおいた“オーケストラ”が見えてきており、今後は第2弾、第3弾と、ユーザーにとって有益なアプリケーションの提供を図っていきたい」と述べた。いずれの製品・サービスも、大規模向け「Enterprise版」、中小規模向け「Standard版」の双方で利用可能。OKWaveガジェットを除き、利用にあたってはライセンスの購入などが必要になっている。

　なおネオジャパンでは「desknet'sオーケストラ」戦略の中で、ガジェットの拡充を図る以外にも、自社のSaaS型サービス「Applitus」の拡大や、業種特化型のサービス提供なども視野に入れて展開する意向である。