ブロケード、高密度型10GbEスイッチや高速型L4-7スイッチを発表

フルレイヤ3まで拡張可能な48ポートGbEスイッチも

 ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社(以下、ブロケード)は6月2日、ネットワークスイッチ「Brocade TurboIron 24X」と「Brocade FastIron CXシリーズ」、アプリケーションデリバリスイッチ「Brocade ServerIron ADXシリーズ」を発表した。いずれも、米Brocadeが買収した米Foundry系列の新製品で、2009年第3四半期の出荷開始を予定する。

Brocade TurboIron 24XBrocade FastIron CXシリーズBrocade ServerIron ADXシリーズ(シャーシ型)

 新製品のうちTurboIron 24Xは、高密度の10Gigabit Ethernet(GbE)インターフェイスを備えたレイヤ2スイッチ。1Uサイズの筐体ながら、最大24基の10GbEポートと4基の1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tを搭載できる。特徴は、スイッチがあて先のMACアドレスを読み込んだ時点ですぐに転送する「カットスルー」のアーキテクチャを採用していることで、これによって超低遅延を実現。最大488Gbpsのラインレート性能を提供可能という。

 また、トランシーバーのインターフェイスには小型・低消費電力のSFP+を採用し、GbEから10GbEへの移行を柔軟に行えるとのこと。加えて、sFlowによるネットワークの可視化機能を備える点や、他社製品と比べて10GbEポートあたりの消費電力を約半分に抑えている点も特筆できる。ブロケードでは、データセンターでのトップオブラックへの導入に向くとしており、参考価格は240万円から。なお、将来的には、レイヤ3に対応させる予定もあるとしている。

 2つ目のFastIron CXシリーズは、高密度型のGbEスタッカブルスイッチ。1Uサイズ筐体に24基または48基の1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポートを備えるほか、アップリンク用に4基のGbEポート(光ファイバー)と2基の10GbEポートも搭載した。また、スタック機能を利用すれば、最大8台までを専用ポートでスタックできる。

 ソフトウェア機能としては、QoSの自動割り当てやVoIP端末へのVoice VLAN自動割り当てなどが可能なインテリジェント機能、sFlowによる可視化機能などを搭載する。また標準で、OSPFも利用可能なエンタープライズレイヤ3ルーティングの機能を備え、フルレイヤ3ライセンスの購入で、BGPにも対応する。システムエンジニアリング本部 シニアシステムエンジニアの小林靜記氏は「レイヤ2の価格でOSPFまでをサポートするレイヤ3機能が使える点が特徴だ」と述べ、コストパフォーマンスの高さをアピールした。

 ラインアップには、通常モデルに加えてPoE(Power over Ethernet)対応モデルも用意され、IEEE 802.3afに準拠した給電を行える。さらに、IEEE 802.3atで検討中のPOE+規格もサポートし、標準で最大13ポートから、冗長電源使用時では最大26ポートから、最大30Wの給電を行えるとのこと。参考価格は100万円程度から。

 最後のServerIron ADXシリーズは、レイヤ4-7の処理を行うアプリケーションデリバリスイッチ。「世界有数のISPの要件を満たすために設計された高性能が特徴」(システムエンジニアリング統括部の小今井裕部長)とのことで、最上位機では、70Gbpsのレイヤ4-7スループット、1600万件/秒のレイヤ4トランザクション、1億2800万の最大同時コネクション数など、競合製品の2倍~5倍の性能を実現しているという。インターフェイスは最大16基の10GbEポートを搭載可能。マイクロソフト、オラクル、SAPなどのエンタープライズアプリケーションとは相互運用性を検証済みのため、リスクを軽減しながら、運用コストの低減や迅速な導入を行える。

 ラインアップには、エントリーのボックス型1製品と、上位機としてシャーシ型2製品を用意しており、必要に応じて最適な製品を選択可能。参考価格はエントリー製品で400万円台後半から。




(石井 一志)

2009/6/2 14:50