ブルーコート、ビデオ会議の品質を高めるネットワーク可視化ソリューション


「Blue Coat PacketShaper」の最上位機種「同 10000」
ブルーコートの代表取締役社長、マット・ベネット氏

 ブルーコートシステムズ合同会社(以下、ブルーコート)は6月3日、高品質なビデオ会議を実現するためのソリューションを発表した。アプリケーションの可視化機能と制御機能を備えた「Blue Coat PacketShaper」、WAN高速化機能やプロキシ機能を備えた「Blue Coat ProxySG」、両製品の連携によって実現される。

 以前はパケッティアが提供していたアプライアンス製品のPacketShaperは、ネットワークを流れるトラフィックを解析し、アプリケーションを個々に識別する能力を備えている。ビデオ会議を利用するにあたっても、この能力を最大限に生かし、ネットワークの品質や、ほかのアプリケーションの状況を“見える化”することが可能。ジッタ、遅延といった回線品質の分析だけでなく、ビデオ会議のトラフィックがほかのアプリケーショントラフィックの影響を受けたり、逆に、基幹アプリケーションのトラフィックに悪影響を及ぼしたりすることを防止できるという。

 ブルーコートの代表取締役社長、マット・ベネット氏は「コスト削減や環境への貢献といった効果により、ビデオ会議を導入する企業は増えているものの、トラブルがユーザーに即座に影響するような、リアルタイムアプリケーションであるビデオ会議は、容易に導入できるものではない」という点を指摘。「十分な帯域をプロビジョニングしておらず品質に影響が出る、ほかのアプリケーションに悪影響を与えてしまうといった課題を解決するには、いかに可視性を高めるか、という点につきる。セッションごと、コールごとのアプリケーションの制御が可能かどうかを、ビデオ会議の実装前に必ず見ておく必要があるし、トラフィックスパイクがあったり、ほかの種類のトラフィックが入ってきたりした場合は、それをきちんと制御して整える必要もある」と述べ、高い可視化と制御の機能を備えたPacketShaperの有用性を強調した。

 一方で、ProxySGはストリーミングの最適化機能を備えており、例えば本社と同一支店の複数ユーザーでビデオ会議を利用した場合、本社-支店間ではシングルストリームで配信し、支店側のProxySGが各利用者にストリームを分割する、といった利用法に対応。帯域の削減を効果的に行える。加えて、あらかじめ録画されたビデオコンテンツなどは、回線がすいているときに事前にキャッシュしておく機能などを利用して、効果的に配信できるとしている。

 「WebやSSLトラフィック、動画に対する要求が高まっているのであれば、それに対応したコントロールが必要。ただ高速であるだけではなくインテリジェンスがなくてはいけないし、リアルタイムに対して責任を持たなくてはならない。そこで考えなくてはいけないのがアプリケーションデリバリーネットワークであり、それこそが当社が提供できることだ。可視化すれば、今何がおこっているかを把握し、適切な高速化を行うなど、先手をうって対処できる。また、ゲートウェイの外側にたくさんのデータが存在するようになっているので、セキュリティの重要性がますます高まっている。ADNではこれらを提供できる」(ベネット社長)。




(石井 一志)

2009/6/3 17:28