「IPSを標準提供する価値を訴求、アプライアンスのリプレース需要も狙う」、チェック・ポイント


Check Point Software Technologies アジア太平洋地域セールス担当副社長のイツァク・ウェインレブ氏
チェック・ポイントのアプライアンス群

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社(以下、チェック・ポイント)は6月16日、事業戦略に関する説明会を開催。Check Point Software Technologies アジア太平洋地域セールス担当副社長のイツァク・ウェインレブ氏が、製品戦略などを解説した。

 ウェインレブ氏がまず言及したのは、フィンランドNokiaからのセキュリティ事業買収について。旧Nokia製品の流れをくむ「IPシリーズ」と、既存のPower-1やUTM-1の両シリーズとあわせて、非常に広範なラインアップをそろえられたため、幅広い顧客のニーズに、1社で応えられるようになった。また、顧客が必要な機能を柔軟に選択できる「ソフトウェアブレード」戦略がIPシリーズにも適用され、TCO削減を実現できるとした。加えて、従来はNokiaからハードウェアを購入した上で、別途VPN-1などのソフトウェアライセンスを入手する必要があったが、事業の統合によりチェック・ポイントがすべてを提供する体制に変更された点も顧客のメリットだ。

 またソフトウェアブレード戦略の適用に伴い、IP/Power-1/UTM-1の3シリーズとも、IPSを標準機能としたことも、同社ならではの価値だという。ウェインレブ氏は、マイクロソフト製品の脆弱性に対する防御を迅速に提供できることなど、IPSの価値を説明。「まだ少数の企業にしか導入されていないが、すべてのエンタープライズがIPSの機能を十分に享受するべきだと考えている。当社製品では、すべてのパッケージにIPSブレードが含まれている」と、そのメリットを強調した。さらにソフトウェアブレードでは、CPUリソースをどの程度利用できるかという設定をブレードごとに行えることから、「競合製品ではトラフィックが非常に高くなった場合に、どうしてもIPSをいったん落としてファイアウォールでさばく必要が生じることがあるが、当社ではそういったことはない」と述べている。

 なおチェック・ポイントでは、2009年に入ってPower-1の最上位となる「同 11000シリーズ」を発売したほか、仮想セキュリティ環境を実現する「VSX-1シリーズ」、統合管理の機能を提供する「Smart-1シリーズ」といったアプライアンスを提供し、さらにラインアップを強化している。同社では、こうしたアプライアンスに対する保守を強化するため、保守についてもNokiaのサポートチームを統合し、ワンストップでの保守を提供する体制を整えているという。

 日本市場での戦略については、「市場ナンバーワンを目指すとともに、対前年2けたの成長、少なくとも業界全体よりも高い成長を実現する」(ウェインレブ氏)との目標を表明。さらに、エンドポイント製品でもシェアを拡大するため、投資を継続し、新しい管理ツールも作っているとした。加えて、パートナーの拡大を図るほか、「すでに導入されている(ファイアウォールなどの)アプライアンスのリプレースをターゲットにする。既存顧客だけでなく、すでにサポートが切れた製品を使い続けているユーザーもかなりいると考えており、そこにも最新のテクノロジーを訴求したい」とした。




(石井 一志)

2009/6/16 17:25