リコー、2009年度第1四半期は減収減益-通期見通しを下方修正


取締役 専務執行役員の三浦善司氏
2009年度第1四半期の実績
2009年度第1四半期の分野別売上高

 株式会社リコーは7月31日、2009年度第1四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比5.8%減の4913億円、営業利益は前年同期比84.7%減の60億円、税引前利益は前年同期比92.2%減の34億円、当期純利益は前年同期比96.5%減の9億円と大幅な減収減益となった。

 地域別では、国内売上高は前年同期比11.6%減の2067億円、海外売上高は前年同期比1.1%減の2846億円。海外売上高は為替の影響を除くと、前年同期比13.1%増となっている。

 同社取締役 専務執行役員の三浦善司氏は、「第1四半期は当初予想よりは伸びず、厳しい状況となった」と、予想よりも厳しい結果であったと説明。「ただし、IKONの買収効果は大きく、為替の影響を除くと海外が13.1%の伸びになった。ただし、IKONの経費などがかさんだ結果、黒字は確保したものの、大幅な減益となった」と述べた。

 事業分野別では、画像&ソリューション分野の売上高が、前年同期比4.1%減の4368億円。そのうち、画像ソリューションの売上高は前年同期比7.8%減の3780億円、ネットワークシステムソリューションが前年同期比30.1%増の587億円。画像ソリューションに関しては、米国で昨年行ったIKON買収による販売体制の強化などが寄与し、PPC・MFPの売上が増加したものの、円高の影響により減収。ネットワークシステムソリューションでは、IKON買収による販売体制の強化により、売上が大幅に増加している。

 産業分野の売上高は、前年同期比25.2%減の247億円。2008年度第4四半期の最悪期からは脱出しているものの、半導体事業やサーマル事業、電装ユニット事業の売上高が国内外で減少したため、売上が大幅に減少。それに伴い、営業損失も3億円となっている。

 その他分野の売上高は、前年同期比10.3%減の298億円。デジタルカメラなどの売り上げが国内外ともに減少、営業損失は2億円となっている。


画像&ソリューション分野産業分野その他分野
2009年度通期業績見通し

 あわせて、2009年度通期の業績見通しを下方修正したことも発表。

 売上高は2兆650億円(4月公表値は2兆1600億円)、営業利益は400億円(4月公表値は650億円)、税引前利益は300億円(4月公表値は550億円)、当期純利益は100億円(4月公表値は300億円)。

 三浦氏は、「お客さまと話をしていると、景気が回復傾向にあるようだ。われわれのビジネスは景気動向が反映するのが遅れるのだが、6月は回復傾向にあった」と2008年度第4四半期をと比べると業績面では回復傾向にあると説明。「とはいえ、第1四半期で落ち込んでいるので、それを反映する形で業績見通しも修正した。現在、構造改革を実行中であり、その成果も出始めている。今やっていることを粛々と速度を上げて進めるのみ」と、着実に新サービス・ソリューションを展開するなど、手を打っていくと述べた。





(福浦 一広)

2009/8/3 00:00