マイクロソフト、Windows 7の一般向け施策を発表-パッケージ版の予約は9月25日から

日本独自の優待アップグレードパッケージも

Windows 7のパッケージ

 マイクロソフト株式会社は9月24日、10月22日にパッケージ版発売を控えるWindows 7の、コンシューマ向け拡販施策を発表した。9月24日より互換性情報サイトを公開することに加えて、アップグレード時の互換性検証を行う「Windows 7 Upgrade Advisor」を10月15日に公開開始する予定。また、パッケージ版の予約は9月25日より開始される。

ファミリーパックや日本独自の優待アップグレードパッケージを用意

ファミリーパックとWindows 7 発売記念優待パッケージが本数限定で用意される
本数限定のパッケージを披露する、代表執行役副社長 コンシューマー&オンライン事業部担当の堂山昌司氏

 Windows 7ではさまざまなエディションが存在するが、パッケージ版で提供されるのは、家庭向け「Home Premium」、ビジネス向け「Professional」、最上位版「Ultimate」の3つで、それぞれ通常版とアップグレード版が発売される。また、Home Premiumのアップグレード版を3ライセンスまとめた「ファミリーパック」、日本独自の優待アップグレードパッケージ「Windows 7 発売記念優待パッケージ」を、いずれも本数限定で用意することも発表された。

 参考価格は、ファミリーパックが2万3999円(税別)、Windows 7 発売記念優待パッケージのProfessionalが1万9999円(同)、Home Premiumが1万3999円(同)。マイクロソフトでは6月に、Windows 7の優待アップグレード版を本数限定で販売しており、発売記念優待パッケージはその際と比べると割高ではあるが、一般のアップグレード版よりHome Premiumは1801円、Professionalでは5801円、安価に設定されている。

 コンシューマー&オンライン マーケティング統括本部 コンシューマーWindows本部 本部長の藤本恭史氏は、「前回のキャンペーンでは、Windows 7がまだRC段階であったにもかかわらず、数日で売り切れになるなど市場の反応に驚いた」とコメント。その上で、「残念ながら本数が限られていたので、その際にご購入いただけなかった方がいらっしゃって、第2弾をやらないのかという問い合わせがあった。それに対する1つの回答がこれで、開発段階から数多くのフィードバックをちょうだいし、非常にクオリティの高い製品に仕上げられたというお礼の気持ちだ。本数は多めに用意はしたが、必要な方は早めに予約することをお勧めする」と述べている。予約受付は9月25日からで、ファミリーパックのみ10月18日から。

 さらにパッケージ版に加えて、より上位のWindows 7へ移行するためのライセンス「Windows Anytime Upgrade」のアップグレードパスと価格が明らかにされた。ネットブック向けの「Starter」からはHome Premium、Professional、Ultimateへ、Home PremiumからはProfessionalとUltimateへ、ProfessionalからはUltimateへ、それぞれアップグレードするためのパスが用意される。今回はユーザーのフィードバックをもとに改善が加えられ、アップグレードは約10分で完了し、DVDなどのメディアも不要となった。

 参考価格の例は、「Starter→Professional」が1万2800円(税別)、「Starter→Home Premium」が8800円(同)、「Home Premium→Professional」が1万800円(同)など。基本的にはオンラインでの販売となるものの、「Home Premium→Professional」など一部はパッケージでも販売されるとのこと。

Windows Anytime Upgradeのラインアップ一部は店頭向けのパッケージも用意される

互換性情報サイトやUpgrade Advisorツールで移行を支援する

互換性情報を集約して提供するWebサイトを公開
Windows 7 Upgrade Advisorツールで移行を支援する

 一方、ユーザーの移行を支援する施策としては、互換性に関する情報を集約したWebサイト「Windows 7 互換性情報サイト」を9月24日より公開するほか、Windows 7 Upgrade Advisorの公開を10月中旬に行う予定。藤本氏によれば、「サイトでは、Windows Vista発売時の2倍の対応製品が紹介されている」とのことで、対応製品として、今日現在でソフトが146社1476件、ハードが43社3370件紹介されているという。

 またWindows 7 Upgrade Advisorでは、Windows 7へアップグレードする際の問題、および推奨する解決方法をわかりやすいレポートで提供。さらに、仮想環境「Windows XP Mode」利用時に必須となる、CPUの仮想化支援機能の有無についても情報を提供するとした。Windows 7 Upgrade Advisorは、Windows XP SP2以降/Vistaで利用できる予定だ。

 このほか、Windows 7では、問い合わせ件数が製品ごとに決められていたインシデント制をあらため、製品利用開始日から、無償で90日間のサポートを受けられるようにした。さらに、一般ユーザー向けの情報交換サイト「Microsoft Answers」にもWindows 7フォーラムを10月下旬に開設する予定で、Windows 7へのアップグレードユーザーを支援するとしている。

 なお、代表執行役副社長 コンシューマー&オンライン事業部担当の堂山昌司氏は「(ボリュームライセンスが発売された)9月1日には、163社が早期採用を表明されているが、当社としては、『会社にWindows 7があれば家のPCもWindows 7にしたい、アップグレードしたい』というニーズが、毎日仕事で使う方から寄せられるのではないか、という自信を持っている」と述べ、Windows 7の早期普及に期待感を示している。




(石井 一志)

2009/9/24 18:15