エクストリーム、モジュラー型スイッチの新製品「BlackDiamond 8500/20804」


エクストリームの製品ラインアップ

 エクストリームネットワークス株式会社(以下、エクストリーム)は10月29日、モジュラー型スイッチの新製品としてエンタープライズ向けの「BlackDiamond 8500」、キャリア向けの「BlackDiamond 20804」と、無線LANソリューションの新製品を発表した。11月より順次販売を開始する。

 BlackDiamond 8500は、企業向けの既存スイッチ「同 8800」の廉価版。同 8800が最大10Gigabit Ethernet(GbE)をサポートし中規模を対象にする一方、新製品は小中規模を対象とする最大1GbEのエントリーモデルとなる。「MSM-24(管理用)」「G48T-e(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)」「G24X-e(1000BASE-X)」の3種類のモジュールが用意される。

 シャーシ、PSU、ファンはBlackDiamond 8500/8800で共通で、同 8500を導入したあとに、同 8800のモジュールに入れ替えて簡単にスケールアップさせることが可能。企業においてネットワーク機器の段階的拡張に対応するための製品といえる。

 いずれもExtreme XOSを搭載し、XMLなどのオープンアーキテクチャを実装するほか、トリガーベースのスクリプト機能「UniversalPort」を備える。「DoSプロテクション」や「ダイナミックACL」などのセキュリティ機能も共通して利用が可能だ。

 最小構成時の通常価格は397万7000円からだが、193万円で提供するキャンペーンを実施する。出荷開始は11月より。

BlackDiamond 8800シリーズの位置付けBlackDiamond 8500の概要

 BlackDiamond 20804は、同社最上位モデル「同 20808」の廉価版。主にキャリア向けの製品となる。同 20808がI/Oスロットを8基搭載するのに対し、新製品では4基に削減したのが特徴。キャリアのネットワークにおいて、同 20808でメトロコア領域をカバーし、それより規模の小さいアクセスアグリゲーション領域やイーサネットアクセス領域を同 20804でカバーすることで、適材適所を実現している。

 これら「BlackDiamond 20800シリーズ」では、高密度10GbEのほか「100GbE Ready」なのが特徴で、業界標準が定まり次第、すぐに100GbEが利用できるという。スロットあたりのスループットは最大480Gbpsに達し、「Ether OAM(IEEE 802.1ag/Y1731)」「QoS」「マルチキャスト」などのキャリア加入者向けサービスに対応する機能を備える。

 出荷開始は12月より。

エクストリームのキャリア向け製品一覧BlackDiamond 20800シリーズの位置付け。同 20808でコア領域を、同 20804でアグリゲーションやエッジ領域をカバーする
AltitudeシリーズとSummit WMシリーズのラインアップ

 最後の無線LANソリューションの新製品では、モトローラの無線LANアクセスポイント製品を「Altitudeシリーズ」としてOEM提供するほか、ワイヤレスコントローラ製品「Summit WMシリーズ」を投入する。両社はグローバルでのOEM契約を締結しただけでなく、今後、Extreme XOSとモトローラのワイヤレス技術の融合にも着手し、エクストリーム製スイッチだけで有線・無線の両方をサポートするソリューションを提供する方針という。

 Altitudeシリーズとしては、IEEE 802.11a/b/g対応の「Altitude 3510」、IEEE 802.11a/b/g/n対応の「同 4610/4620」、IEEE 802.11a/b/g、アウトドア対応の「同 3550」をラインアップ。Summit WMシリーズとしては、「Summit WM 3400/3600/3700」をラインアップする。

 出荷開始は12月より順次。

 なお、発表会ではスイッチ用OSのExtreme XOSの価値が紹介された。企業やデータセンターではサーバーの仮想化が進んでおり、必要に応じてサーバー間で仮想マシンを移行する「VMotion」や「Live Migration」などの機能が利用されている。Extreme XOSには、この仮想マシンの移行に合わせて、スイッチのポート設定もダイナミックに変更する機能が備わっている。

 また、アクセスの少ないポートを自動的に電源OFFにする機能もあり、例えば「日本とブラジルにデータセンターがある場合に、回線コストが高くなる日本の日中はブラジル側へと接続を集中させ、日本が夜間に入ると同時に、日本側を稼働させるといったことも可能になる」(エクストリーム)という。これにより、グリーンITに大きく貢献できると同社ではアピールしている。




(川島 弘之)

2009/10/29 14:40