ブロケード、データセンター・ネットワークを強化する新ソリューション

先進機能を備えたブレードおよびボックス型製品と管理ソフト


システムエンジニアリング本部 本部長の小今井裕氏

 ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社は10月29日、データセンター向けBrocade DCXバックボーン・ファミリを強化するブレード・ソリューションおよびボックス型スイッチソリューションの新製品を国内向けに出荷開始したと発表した。

 今回発表した新製品は、Brocade DCX/DCX-4S用SANエクステンション・ブレード「Brocade FX8-24エクステンション・ブレード」、ボックス型のSANエクステンション・スイッチ「Brocade 7800エクステンション・スイッチ」、FCoE(ファイバーチャネル・オーバー・イーサネット)対応ブレード・ソリューション「Brocade FCoE10-24ブレード」、ボックス型スイッチソリューション「Brocade 8000 - 10GbEレイヤ2イーサネットスイッチング機能ライセンス」の4製品。また、中規模企業・部門向けのSAN管理ソフトウェア「Brocade DCFM Pro Plus」、およびSAN管理ソフトウェアの最新バージョン「Brocade DCFM 10.3」も併せて発表された。

 システムエンジニアリング本部 本部長の小今井裕氏は、データセンターを取り巻く市場背景について、「現在、データセンターでは、クラウド環境の導入やセンター集中化、デバイスの多様化などによりデータ量、トラフィック量が急激に増加している。一方で、ビジネスリスク低減のため、データへの信頼性と可用性に対する要求も高まりつつある。加えて、インフラへの投資および運用コストも増加を続けており、こうした課題に対しストレージ・ネットワークのインフラにもさらなる進化が求められている」と指摘。「今回投入する新たなブレード・ソリューションによって、既存のBrocade DCXバックボーンプラットフォームの資産を生かしながら、シームレスにFCoEなどの先進機能を導入し、次世代データセンター・ネットワークへと進化させることができる」としている。

 新製品の特徴としては、「Brocade FX8-24エクステンション・ブレード」は、複数のデータセンターを遠距離間で高速接続し、事業継続性とディザスタリカバリ(DR)のための機能を提供するブレード・ソリューション。12個の8Gbpsファイバチャネル(FC)ポートと10個の1GbEポートを標準搭載し、2個の10GbEポートをオプションで提供。業界最高のFICP帯域幅(20Gbps)を実現する。

 また、「Brocade 7800エクステンション・スイッチ」は、「Brocade FX8-24エクステンション・ブレード」と同等の機能を備えながら、スタンドアロンでの導入を可能とした新たなボックス型エクステンション・スイッチ。16個の8Gbps FCポートと6個の1GbEポートを搭載した「Brocade 7800 16/6」と、4個の8Gbps FCポートと2個の1GbEポートを搭載した「Brocade 7800 4/2」をラインアップする。

 両製品とも、先進のファイバーチャネル&FCIPネットワーキング技術を採用したエクステンション・ソリューションとなっており、複数の物理ポートにかかる論理トンネルを構成し、負荷分散とネットワーク障害への回復力を向上する「FCIP Trunking」、帯域幅の制限を動的に調整する「Adaptive Rate Limiting」、ひとつのFCIPトンネル内でイニシエータからターゲットまでのフロー制御を優先順位付けする「FCIP QoS」などの新機能を搭載している。

Brocade FX8-24とBrocade 7800の概要Brocade 7800の導入例Brocadeの統合CEE/FCoEソリューション

Brocade FCoE10-24ブレードの概要
Brocade CEE/FCoE EoR/MoRソリューションの構成例

 「Brocade FCoE10-24ブレード」は、FCoE機能を提供し、データセンターにおけるI/O集約を実現するブレード・ソリューション。24個の10GbE CEEポートを備え、LANトラフィック向けに豊富なレイヤ2イーサネット機能を提供する。また、ストレージ・トラフィックは、Brocade DCXバックボーンシャーシ内の8Gbps FCブレードを通じてSANに送信する。

 「Brocade 8000 - 10GbEレイヤ2イーサネットスイッチング機能ライセンス」は、FCoE対応ボックス型スイッチ「Brocade 8000」の新ライセンス。導入時には、10GbE対応のレイヤ2イーサネットスイッチング機能のみをアクティブとし、SAN接続が必要になった場合に、FCoEオプションライセンスを追加することで8Gbps FCポートとFCoE機能を利用することが可能となる。これにより、既存のLANまたはSAN環境への無停止での統合を実現する。

 これらブレード・ソリューションの新製品群と同時に発表された管理ソフトウェアの新エディション「Brocade DCFM Pro Plus」は、中規模企業・部門向けに最大4つのSANファブリックをサポート。既存の管理ソフトウェアエディション「Brocade DCFM Enterprise Edition」と同じアーキテクチャを採用し、「Brocade DCFM Professional Edition」(1つのファブリックに対応)を補完する機能を備えている。

 一方、最新バージョンとなる「Brocade DCFM 10.3」では、新しいエクステンション・ソリューションに対応し、FCおよびFCIPネットワーク・インフラのコンフィギュレーションと管理を容易に行える新たなFCIP管理機能を搭載。より広範なBrocade CEE/FCoEソリューションの統合管理を可能にするとともに、大規模な仮想サーバー環境のエンド・トゥ・エンドの管理を支援する機能を提供する。





(唐沢 正和)

2009/10/29 18:48