日本セーフネット、SaaSのライセンス管理やPKI認証を行う新製品


エンタープライズセキュリティ事業部長兼ディレクタービジネスデベロップメントの小池康幸氏

 日本セーフネット株式会社は12月3日、SaaS向けセキュリティソリューションを発表した。SaaS利用時の個人認証を行う「eToken PRO Anywhere」と、ソフトライセンス管理を実現する「Sentinel EMS」を同月より提供する。

 eToken PRO Anywhereは、クライアント側にソフトをインストールすることなく導入できるPKI認証ソリューション。デジタル証明書や暗号鍵、アクセス先のURLをあらかじめ格納したトークンによる「オンライン認証」を実現する。トークンをPCに挿入するとWebブラウザが起動し、トークンのPINを入力することでWebサイトへセキュアな接続を実現。「エンドユーザーがこのトークンを持ち歩いておけば、ネットカフェなどでも安全にSaaSを利用できる」(エンタープライズセキュリティ事業部長兼ディレクタービジネスデベロップメントの小池康幸氏)という。

 一方のSentinel EMSは、SaaSで課題となっているソフトライセンスの管理を実現する。SaaSでは、従来のようにソフト単位ではなく、利用単位といったより柔軟なライセンスモデルが採用される。このため、一度利用を始めたアプリケーションも減価償却などを考えずに乗り換えられるのがメリットの1つだが、その分、「実際に何人のユーザーが利用しているのかなど、プロバイダ側でのライセンス管理が複雑となっている」(同氏)という。

Sentinel EMSでSaaSライセンスを管理

 実際の運用イメージとしては、PaaSプロバイダなどがSentinel EMSを導入し「Entitlement Server」を構築。エンドユーザーからSaaSプロバイダに注文が入った際に、SaaSプロバイダが「Sentinel EMS Webポータル」を使ってライセンス証書などを発行。エンドユーザーはそれが手元に届いた時点から、アプリケーションが利用可能となる。このプロセスを経ることで、SaaSごとのライセンスに対する申請、発行、更新、失効などの処理をオンラインで自動化するというわけだ。

 このほか日本セーフネットでは、オンラインでアクティベーションを実現する「Sentinel RMS」や、ソフトの不正使用を防止する「HASP SRM」なども販売している。また、豊富な暗号化製品が同社の特徴でもある。これらを活用することで、SaaSで求められる暗号化やエンタイトルメント管理、ローカルダウンロード後の不正使用防止、ライセンスライフサイクル管理などを実現する狙い。

 今回の新製品はSaaSプロバイダやソフトベンダーに向けて提供。今後1年間で3億円の売り上げを計画する。




(川島 弘之)

2009/12/3 15:08