「他社はロードマップが不明確」-他社からのシステム移行で強気な日本IBM


専務執行役員システム製品事業担当のポール・マウン氏

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は12月14日、システム移行に関する説明会を開催。専務執行役員システム製品事業担当のポール・マウン氏が、IT変革が求められる企業基盤の現状に触れ、それを効果的に支援する「IBM Migration Factory」について説明した。

 「日本のユーザー企業はベンダーやパートナーに対して、技術ロードマップを明確化してほしいと願っている」。同氏はそう切り出す。「業界ではM&Aが相次ぎ、競争も激化しているため、多くのベンダーで研究開発への投資を放棄せざるを得ない状況があり、技術ロードマップがそのとおりに進んでこなかった時期がある。ゆえに、ユーザー企業では将来にわたって、どんな技術に依存すべきか不安を抱いている」というのだ。

 これに対しベンダーは、「技術獲得のための買収」「自社にない技術を保管するためのパートナー協業」「研究開発への投資」を継続しつつ、多様なデバイスをはじめとした新テクノロジーの普及に伴い、新しいアプリケーション、ワークロードを採り入れる必要があると指摘する。つまりは、ビジネスを変革するために、ITを変革しなければならないと説くのだ。

 しかし、ITの変革には「コスト」「時間」「品質維持」などのハードルが多数存在する。そこで日本IBMでは移行支援サービス「IBM Migration Factory」を打ち出している。他社製サーバー・ストレージなどから日本IBM製品への移行を支援するもので、2004年に米国でスタート。ノウハウを輸入し、日本でも2009年10月に専門組織「Migration Center of Competency」を立ち上げ、同サービスを開始した。30種類以上のガイドやメソドロジーを提供し、サードパーティのツールなども組み合わせて、最適な移行を支援するのが特徴とのことで、「世界では5000社以上が利用。日本でもすでに25社の顧客に活用された」(同氏)としている。

「2010年はIBMへ、イ・コ・ウ!」をキャッチコピーに「IBM Migration Factory」を推進Migration Center of Competencyの組織図サーバー・OS移行に伴う対応
移行方針の決定移行検討の進め方移行開始以降の対応

 では、なぜ日本IBMがビジネス変革を支援できるのか。マウン氏は「継続的な投資」と「明確な製品・技術ロードマップ」をその理由に挙げる。「日本だけでも、Migration Center of Competencyに数十億円の投資を行った。IBM全体では年間60億ドル以上を研究開発に投資している。その結果、サーバーやストレージでさまざまなワークロードに対応するラインアップを用意できているし、またPOWERプロセッサもロードマップに忠実に市場に提供できている。この点に関しては、他社に負けない優位性を持っているとの自負がある」(同氏)。

 「他社のロードマップは不明確で、日本IBMは明確だ。日本IBMがシステム移行を通して、TCO削減やROI向上を強力に支援する。だから、お客さまはIT基盤や企業基盤の変革によるビジネス変革をためらう必要はない」。そう語るマウン氏は、どこまでも強気である。

 12月にはMigration Center of Competencyの国内要員を70名から150名に増員した。「今後は変革をさらに支援するために、アセスメント結果に基づくパフォーマンス保証や、パートナーへのインセンティブとして、移行案件の発掘数トップ10のパートナー企業に米国IBM Migration Factoryへの研修ツアーなども行っていく」(同氏)という。

「継続的な投資」と「明確なロードマップ」が他社との優位点というMigration Center of Competencyを立ち上げ、実証済みツールやメソドロジーの提供も強みとする顧客の変革をさらに積極的に支援するために





(川島 弘之)

2009/12/14 17:01