インテル宗像副社長、「2009年の投資の成果が2010年に出てくる」
取締役 副社長の宗像義恵氏 |
各トピックに関連する数字にあてはめて作られた2009年の10大ニュース |
インテル株式会社は12月16日、2009年の同社の活動と2010年の方向性について、記者向けの説明会を開催。金融危機から始まった2009年ながらも、2010年につながる活動ができたと1年であったと紹介した。
同社取締役 副社長の宗像義恵氏は米Intelの3代目CEOであったアンディー・グローブ氏が語った不況時のルールに触れ、「グローブは、厳しい不況であっても必ず終わりがくる、投資抑制は不況脱出時に弱体化を招く、そして戦略的な投資を行った企業がさらに競争力を増す、と語ったように、厳しい経済環境でスタートした2009年はこの言葉を実践した」と、厳しい環境ながらも、投資を継続してきたと紹介。
2010年にも投入される32nmプロセス製品に対応した4つの工場を建設するなど、技術革新への投資は継続。「投資を継続した結果として、32nmプロセス製品は来年早々にも製品化する。また、9月のIDFではその次の世代となる22nmプロセスでの動作なども発表できた。2011年には22nmプロセスが見えてきている」(宗像氏)とした。
2009年のトピックとして挙げたのが、Core i7/i5プロセッサ。「これらのプロセッサがメインストリームPCに搭載され、新しく採用されたアーキテクチャに注目が集まった。また、プロセッサの性能に加えて、SSDなどと組み合わせることで、システム全体の性能向上も実現した」(宗像氏)と、主要製品として認知されたと紹介。
モバイルサブノートPCが登場したこともトピックのひとつとして紹介した。「ネットブックの登場により、外で使われる機会が増えてきた、しかし、Atomベースのネットブックではパフォーマンスが足りないという声もあり、長時間バッテリー駆動や小型・薄型・軽量を実現したモバイルサブノートPCをパフォーマンスを求めるユーザーに提供できた」(宗像氏)と述べた。
モバイル分野では、WiMAXの商用サービスがスタートしたこともトピックとして紹介。宗像氏は、「個人的には2003年から普及活動を行ってきたので、やっと一般に使えるサービスになったというおもいが強い。WiMAX搭載ノートPCも今後さらに増えるほか、サービスを提供するUQ WiMAXも2012年末までに人口カバー率90%の達成を目指している」と、これから育てる段階に入っているとした。
エンタープライズ分野では、Xeon 5500番台に高い評価があったと紹介。「コストパフォーマンスの高さや低消費電力など、多くのメーカーがXeon 5500番台に対して、高い期待を示していただいた。非常にひきの強い製品」と、2009年の成功した製品のひとつであったと紹介した。
そのほか、vProテクノロジーも紹介。「vProに関しては、いろいろな機能があることから、イメージがわきにくいといったユーザーの声をよく聞いた。また、販売する側にとっては、どのように売ればいいかというように売り方が難しいもの」と、プロモーションする上で課題があると告白。「そこで、シンプルなメッセージにしようということで、“TCO削減”を前面に出すようにしている。vProにはさまざまな機能があるが、最終的には消費電力を削減できるなどTCO削減に効果があるので、コスト意識が高まっている現在、この線で展開する」と、TCO削減にフォーカスする考えを示した。
2010年については、「第1四半期がボトムだったが、第2四半期以降は確実にビジネスが戻ってきている。2010年に向かって、いい方向でビジネスができるとみている。また、投資した32nmプロセス製品やワイヤレス製品など、こうした製品が新しいビジネスにつながるだろう」と、2010年が投資の成果が出る年になると述べた。
2009/12/17 00:00