フジテレビがシスコのWAN最適化製品を採用、バンクーバー五輪に向けて


 シスコシステムズ合同会社(シスコ)は1月13日、株式会社フジテレビジョン(以下、フジテレビ)がWAN高速化ソリューション「Cisco WAAS(Wide Area Application Services)」を採用したことを発表した。フジテレビは、2月にカナダ・バンクーバーで開催される第21回冬季オリンピック(以下、バンクーバー五輪)における、現地スタッフとの円滑なコミュニケーションを実現する狙い。

 Cisco WAASは、Windows/UNIXのファイル共有、Microsoft Exchange、Oracle・SAPなどのWebアプリケーション、SSL、Windowsプリントサービス、ビデオ配信など、企業ネットワークで用いられるプロトコルの最適化技術を提供する。これにより、WANを経由するアプリケーションのレスポンスを向上する。

 また、「Data Redundancy Elimination(DRE)」と「データ圧縮(LZ)」を組み合わせることで、WANに送信するデータ量を抑え、TCPを最適化する「TCP Flow Optimization(TFO)」により、遅延やパケットロスの発生を防ぐことが可能。装置間でトンネリングを行わない(TCPヘッダを書き換えない)ため、エンドトゥエンドの可視性が確保でき、VoIP、QoSやファイアウォールなどの既存ネットワーク環境へ透過的に統合できるのが特徴という。

 フジテレビでは、バンクーバー五輪の開催期間中、台場本社サーバールームと五輪メディア村との間(直線距離7500km以上)に専用回線を敷設し、現地スタッフが本社ファイルサーバーへリモートアクセスを行う予定。この際に課題となる遠隔地との通信に起因するアプリケーションのレスポンス低下を防ぐため、Cisco WAASの導入を決めた。

 同製品を導入することで、現地スタッフの生産性向上と作業環境改善を実現。現地からでも台場オフィスにいるのと同様にファイルやアプリケーションにアクセスできるので、スタッフが現地へ出発する前に、必要なファイルをノートPCにダウンロードする必要がなくなる。また、データやアプリケーションを現地のサーバーではなく、すべて台場のサーバールームに据え置けるため、バックアップやセキュリティに関する負担を軽減できるとしている。




(川島 弘之)

2010/1/13 15:30