米Intel、2009年第4四半期は大幅改善-純利益は前年同期比で875%増


 インテル株式会社は1月15日、1月14日(米国時間)に発表された米Intelの2009年第4四半期および2009年通期決算の記者向け説明会を開催した。あわせて、2010年の取り組みについての説明も行った。

 2009年第4四半期の売上高は106億ドル(前年同期比28%増)、営業利益は25億ドル(前年同期比62%増)、純利益は23億ドル(前年同期比875%増)となった。

 これらの数値は米AMDとの和解合意に伴う12億5000万ドルなどを反映したもの。和解合意に伴う費用を除いた場合は、営業利益は37億ドル(前年同期比143%増)、純利益は31億ドル(前年同期比267%増)となる。

 2009年通期決算は、売上高が対前年比7%減の351億ドル、営業利益は対前年比36%減の57億ドル、純利益は対前年比17%減の44億ドルとなった。こちらもAMDとの和解合意に伴う費用と欧州委員会への制裁金などを除いた場合、営業利益は前年同期比6%減の84億ドル、純利益は前年同期比12%増の66億ドルとなる。

取締役 副社長の宗像義恵氏

 同社取締役 副社長の宗像義恵氏は、「リーマンショックの影響を受け、2009年は不安定な年明けとなったものの、技術革新に必要となる戦略投資は継続してきた。その結果、先日行われたCESにおいて、32nmプロセス製品を発表することができた」と説明。第4四半期ではプロセッサの平均販売価格も上昇しており、「Xeonが堅調だったほか、ネットブック分野もサブノートPCに需要が移るなど、さまざまな要因が影響した結果」と述べた。

 2010年については、「日本のPC市場の拡大、日本のPCメーカーの海外事業展開の支援、PC以外の新規分野の強化、の3つの分野に注力する」と発表。

 日本のPC市場の拡大について、宗像氏は「2009年は厳しい年ではあったが、出荷ベースで1400万台と堅調。2010年もコンシューマは引き続き堅調に推移し、ビジネス向けに関しても強い需要が続くとみている」と説明。また、モビリティ分野での需要が存在するとし、WiMAXサービスに対しても市場開拓に力を入れる考えてあると述べた。このほか、医療分野や教育分野に関しても、引き続き有望なマーケットととらえて引き続き推進する考えを示した。

 日本のPCメーカーの海外事業展開の支援については、「新興国での需要の高まりに伴い、日本のPCメーカーのビジネス拡大の機会が生まれている。これまでは日本の枠内だけで協力してきたが、インテルの各国法人と協力し、システム開発支援や販売支援体制などで貢献していきたい」(宗像氏)とした。

 PC以外の新規分野の強化では、デジタル家電や組み込み系システムなどの分野に積極的に取り組むと紹介。「組み込み系では、産業用機器や車載機器などに取り組んでいく。車載機器に関しては、GMなどと非営利団体を結成しており、ナビシステムや通信システムなどの標準化に取り組んでいく」と、インターネットに接続される機器の拡大にあわせ、積極的に取り組むと述べた。

 宗像氏は、「昨年は先行きの暗い中でスタートしたが、今年は業界各社の技術革新への取り組みなどCESの結果を見る限りでは明るいスタートが切れたのではないか。新しい製品が新しいニーズを送出し、新しいビジネスにつながるというのは、日本企業が得意とするところ。こうした新しい分野の開拓にインテルとしても協力していきたい」と、業界各社とともに取り組むことで、IT業界全体の発展につなげていきたいとした。





(福浦 一広)

2010/1/15 14:03