「エンドトゥエンドのテストが可能な点が強み、LTEやFCoEも対応済み」-イクシア


Ixia アジアパシフィック担当副社長件ゼネラルマネージャーのナヴィーン・バット氏

 ネットワークを中心としたテストソリューションを提供するイクシア株式会社は3月5日、2010年度の戦略説明会を開催。最新の動向や、2010年の重点目標などについての説明を行った。

 イクシアは、キャリアや企業、システムインテグレータなどに対し、ネットワークのテストシステムを提供しているベンダー。IPネットワークやSANなどで実績を積み重ねてきたが、米本社が2009年に米Catapultを買収したことで、ワイヤレスのテストソリューションを入手し、ワイヤレスエッジからインターネットコアまで、包括的なテストを提供可能になったという。

 日本についても早くからビジネスを行っており、NTTグループ、KDDI、ソフトバンクといった大手キャリアからISP、データセンター、ネットワーク/システムインテグレータなどに製品を提供してきた。Ixia アジアパシフィック担当副社長件ゼネラルマネージャーのナヴィーン・バット氏は、日本市場の価値について、「テレコム市場などで世界の最先端にいることが可能になるし、高い製品クオリティが要求される日本に注力すれば、当社の製品クオリティをたもてる。そうした点で、日本市場での展開は当社にとって大きな助けになる」と述べた。

 また、同社が他社と比べて優位性のあるソリューションを、具体的に2つ紹介した。1つ目はLTEのソリューション。LTEでは従来のネットワークと比べて大幅に高速化され、アプリケーションも、通話やデータに比べてビデオの占める割合が大きくなってくると見られている。こうした環境では、ビデオに関するリアルなシミュレーションが必要になるし、もちろん、音声、データを含めたあらゆるトラフィックのシミュレーションも行うことになる。加えて、米AT&TのネットワークがiPhoneの負荷に耐えかねているように、最悪のケースを想定し、限界までネットワークに負荷をかけるようなテストをすることも必要なのだという。

 Ixiaのディレクター兼プリンシパル・テクノロジスト、スニル・カリディンディー氏は、こうした点を前提に、実機シミュレーションではもう限界に来ている点を指摘。「高いワイヤレス技術を持つCatapultと、その上で流れるトラフィックにフォーカスをあてるIxiaの一番良いところを組み合わせることで、ベストなテストソリューションが提供できるようになった。当社の製品では、高負荷をかける多数の加入者を疑似的に作り出してテストを行える」とした。

データセンター向けに、FCoEに対応したソリューションも提供する

 もう1つのデータセンターソリューションでは、SANとIPネットワークにおける高いテスト能力を強調する。Ixiaではしかも、高品質なEthernetとして開発されているCEE(Converged Enhanced Ethernet)と、それをインフラとして利用するFCoE(Fibre Channel over Ethernet)についてもいち早くテストソリューションを用意。最新のハードウェアについても、3月から提供を開始した。

 「当社製品では、FCからFCoEまで、エンドトゥエンドの検証が可能。当社のお客さまであるネットワーク機器ベンダーやサービスプロバイダは、大型の検証環境を持たなくても、十分な検証が可能になるし、これを利用することで製品やサービスを市場へ迅速に提供できるようになるだろう」(Ixiaのシニアマーケティングエヴァンジェリスト、デイブ・シュナイダー氏)。

 なお、記者説明会には顧客の代表として、ネットワンシステムズ株式会社の商品開発グループ 応用技術本部長兼同本部 第5応用技術部長、延坂成人氏が出席。「ファブリック統合を実現するためのFCoEやDCBに対応できるテストシステムを検討した結果、イクシアを採用した。最新技術に対応していることはもちろんだが、エンジニアとしては、操作性やさまざまなテストパターンに対応できることが重要。イクシアは実績もあるし、ユーザーも多いので洗練されているのではないか、と考えて購入した」と、購買に至った理由を説明した。

 同社では、5000点を超える機材を備えたテクニカルセンターで、新機能の評価、トラブルシューティング、システム評価などにこれを活用。さまざまな組み合わせのテストが可能なことから、品質管理センターにおける出荷時の検査でも利用している。また今後については、普及が進む仮想化環境に対応したテスト製品「IxVM」の国内提供を要望し、「マルチハイパーバイザーへの対応も視野に入れて展開してほしい」と述べている。




(石井 一志)

2010/3/5 18:59