マイクロソフト、小規模向けCRMアプリ「Business Contact Manager」を説明

Office 2010で日本語版を初提供

Business Contact Managerの概要
インフォメーションワーカービジネス本部 Office製品マーケティンググループ シニアプロダクトマネージャの林達郎氏

 マイクロソフト株式会社は3月29日、Office 2010の記者説明会の中で、日本語版が初提供となる小規模向けCRMアプリケーション「Outlook 2010 with Business Contact Manager」(以下、Business Contact Manager)に関する説明を行った。

 Business Contact Managerは、Outlook 2010のプラグインとして提供されるCRMアプリケーション。主に、20名程度までの小規模企業、企業部門などでの利用に適しているという。米国などでは、Office 2003から提供されるようになっているが、日本語版が提供されるのは、今回がはじめて。

 これを提供する理由について、インフォメーションワーカービジネス本部 Office製品マーケティンググループ シニアプロダクトマネージャの林達郎氏は、「競争力強化のためには顧客との関係強化が必須で、そのためのツールも必要になる。しかし、今、出回っているCRMアプリケーションは大企業向けのものが多く、リソースに限界のある小規模企業が利用するには、導入のハードルが高い」と説明。使い慣れたアプリケーションであるOutlookをベースに提供することで、トレーニングの必要もほとんどなく、すぐに使えるメリットを提供できるとする。

 アドオンをインストールすると、「連絡先管理」「営業」「マーケティング」「プロジェクト管理」といった、4つのワークスペースが設けられ、これらを用いて、営業活動やマーケティングキャンペーンを顧客情報とひも付けて管理する仕組み。また、グラフィカルな表示によってビジネス状況を確認可能なダッシュボード機能を標準で搭載するほか、カスタマイズ可能な72種類のレポートを作成できるレポーティング機能も備えている。

Business Contact Managerの機能ダッシュボード画面

 個々のワークスペースのうち、「連絡先管理」では、取引先企業、ビジネス用連絡先、潜在顧客などをタブで情報整理し、一元管理可能。メール、メッセージや通話記録などの履歴を残すこともできる。また、アクセス権をチームのメンバーに付与すれば、顧客の連絡先、営業案件の情報はチームで共有可能。担当者の不在中に連絡を受けたとしても、必要な情報にすぐにアクセスでき、チーム全体で顧客対応を行えるという。

 「営業」では、案件の生成から成約まで、セールスステージごとに営業商談を管理できることに加えて、設定された条件に従って成約の確度がランク付けされ、優先度の高い潜在顧客にリーチできるとのこと。

 なお、Business Contact Managerは、ボリュームライセンスプログラムで提供される「Office 2010 Standard」「同 Professional Plus」にのみ含まれ、パッケージ版での提供は予定されていない。




(石井 一志)

2010/3/29 16:29