インテル吉田社長、「Xeon 7500番台は過去最大の性能向上を達成」


 インテル株式会社は3月31日、エンタープライズ向けCPU戦略に関する説明会を開催。同日発表したXeon 7500番台を含め、Xeon/Itaniumの最新動向を、代表取締役社長の吉田和正氏らが説明した。

代表取締役社長の吉田和正氏説明会上には、各製品のウェハも展示されていた
2010年に投入されたエンタープライズ市場向け製品
2009年、2010年に発表された製品

 吉田社長はまず、「2010年の、グローバルな動きが展開する中で、新しい技術を取り入れ、地球温暖化(防止)に貢献できる電力効率の良いサーバーが市場からも望まれている」と、市場のデマンドに触れ、その中で新たな製品を継続的に提供してきたとする。

 その一環として、2009年4月に発表されたXeon 5500番台は、「15年前に当社が初めてサーバー市場向けのCPUを投入して以来、一番革新的な製品」(吉田社長)とのことで、不況の中でも高い評価を獲得。2009年第4四半期には、「優れた性能のみならず、電力効率、投資効果も優れている点が評価され、出荷比率を見ると、以前のサーバーシステムが、ほとんどXeon 5500番台に移行した」(同社長)ほどだという。また、エンタープライズ市場のみならず、HPCにおいても、グローバルのトップ100のうち21のシステムがXeon 5500番台を搭載するなど、市場でも高い評価を受けているとした。

 そうした状況の中でインテルでは、2月にIA64アーキテクチャの最新製品となるItanium 9300番台を発表。他方、組み込み市場向けにはXeon C5500/C5300シリーズを、Xeon 5500番台の後継としては、最新の32nmプロセスで製造されるXeon 5600番台を提供した。こうした新製品投入について、吉田社長は「エンタープライズ市場に変革を起こす製品を、今年だけで3つも発表している。何でこんなに速くやるんだ、といわれるくらい技術を進めている」と述べ、自社の技術力を強調する。

 特に、同日発表された大型システム向けのXeon 7500番台については、「過去最大の性能向上を達成した」と紹介。「前製品のXeon 7400番台と比べて3倍以上の性能向上と、20以上の信頼性機能の追加により、搭載システムに高い費用対効果を提供する。RISCアーキテクチャや、さまざまな大型システムから、オープンシステムへの移行をますます加速させる製品だ」とし、大きな期待を表明した。

 なお、Xeonの高性能化・高信頼化が進む一方で、Itaniumについても徐々に市場に浸透しているとのこと。技術本部 副本部長の土岐英秋氏は、2009年に国内大型サーバー市場で11%のシェアを獲得したというデータを示したほか、吉田社長も、「今後のロードマップを示しており、微細化などのテクノロジー導入を進めて、継続して提供していく。Xeonと両方での展開が続くと考えている」と述べ、今後の提供をコミットしている。

 「当社では、『変革が起きている今こそ、戦略的なIT投資が必要だ』という言葉を、再度声を大きくして発信していく。優れたIT基盤効率のために、新しい技術を採用し、電力効率に優れ、環境に優しいCPUを今後も提供する。日本企業が世界に出て行くための、“縁の下の力持ち”であるITインフラを、当社のCPUで構築できるように積極的に推進していく」(吉田社長)。




(石井 一志)

2010/3/31 13:10