【速報】野副・元社長に富士通が反論、「密室で辞任を迫ってはいない」


代表取締役会長の間塚道義氏

 富士通株式会社は4月14日、元社長・野副州旦氏の辞任を巡る一連の騒動に関して、同社の見解を説明する記者会見を開催。代表取締役会長の間塚道義氏より、これまでの経緯が説明された。

 間塚氏は、野副氏が横浜地裁 川崎支部へ申し立てていた地位保全の仮処分を、4月6日に取り下げたことについて、「両者の言い分を主張し、証拠を出す審尋が終了し、裁判所の判断を待つばかりの状況で取り下げられた。裁判所は、客観性・公正さが担保された究極の外部委員会であり、野副氏がマスコミで主張しているように、外部委員会の判断がほしいということであれば、裁判所の判断を受けるべきだった」と指摘。「当社としても、裁判所の判断を待って外部へ発信しようとしていたところ。結審後の野副氏の取り下げが、法的に有効な手段だったとしても遺憾だ」との見解を述べた。

 また、辞任を迫った経緯として報道されている、反社会的勢力の疑いがあるとされる勢力との関係について、「ニフティの再編に携わった某ファンドについて、反社会的勢力との関係があるとの指摘が、複数の金融機関から提供されたため、当該ファンドと関係を継続することはふさわしくないとの判断に至って、秋草取締役相談役から野副氏に注意した。その際は、本人もこれを認めたにもかかわらず、某ファンドの日本における代表者と引き続き連絡をしていることが判明した」と説明。

 その上で、「当該人物が反社会的勢力かどうかが問題ではなく、当社の社長としての適格性が問題。当社の社長という立場にある限りは、万一、風評が事実であった際のリスクが大きいのであれば、個人的な信頼が大きかったとしても、付き合いを自粛する、当社事業に関与させない、という判断が必要」と述べ、辞任を求めたのは、リスク管理における、社長としての適格性を問うた結果だとした。

 加えて、野副氏が主張しているように、「取締役会を無視し、密室で辞任を迫ったという事実はない。取締役多数の合意の上で、役割分担として一部のメンバーで要請したものだ。仮に辞任しない場合は、取締役会で代表取締役の解職を議題とする予定であり、野副氏にも伝えてあった」と全面的に否定している。

 なお、会見の詳細については、明日の記事であらためてお知らせするので、そちらを参照いただきたい。




(石井 一志)

2010/4/14 18:00