NEC、企業内とクラウドのID・アクセスを一括管理するソリューション


 日本電気株式会社(以下、NEC)は4月21日、クラウド時代の総合セキュリティソリューション「SecureSociety」を発表した。具体的な2種類のソリューションをラインアップするとともに、専任組織も新設して拡販に努める。

 SecureSocietyは、セキュリティに関するシステムの要件定義、開発、構築までトータルに支援するソリューション。NECグループ約14万人規模の社内システムの構築・運用経験を基に体系化したもので、「統合管理」「PC管理」「サーバー管理」「ネットワークセキュリティ」の領域ごとに最適なソリューションを整備する。ユーザーはこれらを適切に組み合わせることで、PC、サーバー、FAX、コピー機、各種ネットワーク機器における情報の出入り口を押さえた総合的なセキュリティ対策が実現できるという。

 今回は企業がクラウドサービスを安全に利用するための2つのサービス、「統合ID管理システム構築ソリューション」「セキュア情報流通ソリューション」をラインアップした。

 前者では、クラウドサービス利用時に事前に企業内でユーザー認証を済ませておけば、外部のクラウドサービスも簡単に利用できる「統合ID管理システム」を構築。標準化団体OASISが策定するインターネット上のシングルサインオンを実現する規格「SAML(Security Assertion Markup Language) 2.0」に対応した統合ID・アクセス管理ソフト「WebSAM SECUREMASTER」を利用し、クラウドサービスのユーザー管理・認証を企業内から一元管理できるという。価格は1000万円(税別)からで、4月21日より出荷する。

 後者では、文書ファイルやコンテンツの閲覧、編集、印刷などの操作を行う際に、認証サーバーに本人確認を行い、アクセス権をチェックする。一般的な暗号化では、暗号鍵の共有による第三者不正利用のリスクがあるが、同ソリューションは利用者認証によるアクセス権制御により、高いセキュリティを実現している。これにより社内だけでなく、クラウド基盤上のストレージサービスなどにおいても、外部の第三者や異動・退職による権限失効者の不正ファイルアクセスを防止できるという。価格は800万円(税別)からで、同日より出荷する。

 これに併せて、拡販体制を強化。NECグループ内で製品領域ごとに分かれていた販売支援要員を結集し、合計50名からなる「SecureSociety営業/事業推進グループ」を新設する。ノウハウが結集され、より高度で幅広いソリューションをワンストップに提案できるとしている。なお、今回のソリューションは5月12日~14日に開催される「第1回 クラウドコンピューティングEXPO」にて出展する予定だ。




(川島 弘之)

2010/4/21 13:09