NEC、機密情報だけを持ち出し制御できる漏えい対策ソフト

機能概要

　日本電気株式会社（以下、NEC）は12月2日、機密情報の漏えいを防ぐソフト「Obbligato II/セキュリティソリューション スタートパック」を発表した。同日より販売を、2010年3月1日より出荷を開始する。

　同スタートパックは、複数の社内サーバーに格納された情報を「一般データ」と「機密データ」に分類し、前者の使い勝手を制限することなく、後者の外部への持ち出しを未然に防止するソフト。

　設計図面などの「機密データ」に対しては、印刷・メール添付・USBメモリへのコピー・画面キャプチャなどをユーザー権限に応じて制御する一方、「一般データ」は通常通りの利用を許可。情報の機密レベルやユーザー権限ごとにきめ細かい制御を行える。

　これらを実現するために、暗号化技術を使わず、「クライアントPC内の特別な領域に機密データを隠匿する仕組みを採用する」（NEC）のが特徴。暗号化技術では、社内の人が復号してしまえば社外に持ち出すことができてしまうが、同スタートパックではそうしたことがなく、暗号化製品の利用が規制されている国でもスムーズに導入できるのがメリットとしている。

　なお同スタートパックは、技術情報管理（PDM）ソフトの新版「Obbligato II R9.2」で強化されたセキュリティ機能部分を切り出した新製品で、最短2週間での導入が可能。Obbligato IIやほかのPDMを導入していない企業も、同スタートパックのみの導入で持ち出し制御機能が利用できるため、まずは既存サーバー環境のセキュリティを確保した後、Obbligato IIの本来のライセンスを追加して、段階的にPDMシステムに発展させることが可能という。

　価格は111万円（税別）から。NECではこれまで、組み立て製造業向けにObbligato IIを販売してきたが、新製品の投入により、日本国内のほか、中国などに進出している日系企業や現地の製造業に拡販を図るとともに、金融や官公庁なども対象に含めていく考え。3年間で150社への販売をめざす。