SSJ、統合業務パッケージ「SuperStream」のIFRS対応方針
日本企業における適用について。強制適用の時期は2012年内に決定される |
企業規模別の適用検討状況 |
エス・エス・ジェイ株式会社(以下、SSJ)は4月8日、統合業務パッケージ「SuperStearm」に、国際会計基準(IFRS)コンバージェンス対応機能を標準装備して提供すると発表した。
IFRSについては金融庁が2012年に強制適用の判断を行い、2015年または2016年には企業への強制適用を開始する可能性がある。また、一部の上場企業に2010年3月期からの任意適用を認めるなど、いよいよIFRSへの転換期が迫ってきている。
これを受けて、大企業から中堅中小企業まで累計5500社に導入されているSuperStreamでも、IFRS対応機能を強化・追加する方針を発表。すでに「資産除去債務」対応機能を提供しているが、近々には「包括利益表示」「過年度遡及修正」などにも対応し、標準機能として提供するとした。
今後も、賃借対照表が事業活動・財務活動ごとに純額表示する「財務状態計算書」に、損益計算書がすべての収益・費用を含んだ一計算書方式の「包括利益計算書」に変わる「財務諸表の表示フェーズB」(2011年に公開草案が公表される予定)に対応するほか、償却を行わない無形資産は減損テストを行い、繰延資産を廃止する「無形資産について」や、オペレーションリースとファイナンスリースの区別がなくなる「固定資産リースについて」なども、適用が予想される2012年までに機能対応する予定とした。
このうち「包括利益表示」については、3月25日に企業会計基準委員会より「包括利益の表示に関する会計基準」の公表議決の延期が公開された。当初は6月ごろを予定されていたのだが、IFRSにおける「連結先行の在り方」について関係者の理解を深めるため、今後数カ月間、さらに検討を継続すると判断されたためだ。
つまりは「連結先行で親会社だけが対象?」「子会社は対応不要?」という点をより詰めるための延期であることから、SuperStreamでも日本の国内基準とIFRSに合わせた複数帳簿機能を用意するとした。単一のインターフェイスで入力したそれぞれの帳簿データを、国内基準用のデータベース、IFRS用のデータベースに格納。それぞれの個別財務諸表を最終的にマージして連結財務諸表にデータ連携させられる。
SuperStreamのIFRS対応方針 | IFRS複数帳簿対応のソリューションイメージ |
マーケティング企画部長の山田誠氏 |
これらを踏まえた上で、マーケティング企画部長の山田誠氏は、「IFRS対応は“連結先行なので親会社だけの話。当社にはまだまだ先の話である”と思っている企業は多い。しかし、“個別を積み上げることなくして連結はない”上に、対象範囲は関連子会社にも及ぶため、残された時間は極めて少ないのが現状だ。“今やるべきこと、今から準備すること”は数多く、5年先を見据えた対応を今から行う必要がある」と説明。
「IFRSコンバージェンスは、国際準拠するためのいわば日本だけの道。国産パッケージだからこそいち早い対応ができる」(山田氏)として、販売数拡大に意気込みを見せた。
まずは、SuperStream既存ユーザーの上場企業(570社)とその関連子会社に、IFRSコンバージェンス対応の訴求を図る。次いでIFRSの対象となる国内上場企業(4000社)とその関連子会社、および全国内企業(128万2000社)にアプローチしていく方針。
具体的な目標としては、「強制適用の方針が定まる2012年を1つの区切りとして、本格的なシステム構築&検証支援に着手。ここまでに、現在5500社のユーザー数を累計8000社に引き上げ、2014年中に始まるであろう本稼働後、2015年には累計1万社の導入をめざす」(代表取締役社長の谷本善男氏)とした。
2010/4/8 15:59