「Avamar」の重複除外バックアップ、最大5000台のPCでも利用可能に

新機能でクライアント環境に対応

BRS事業部 システムズ・エンジニアリング部 シニア・システムズ・エンジニアの村山雅彦氏
Avamar DT/LTの概要

 EMCジャパン株式会社は4月26日、サーバー・ストレージ向けの重複除外バックアップソフト「Avamar」に、クライアントPCを対象とした新機能「Avamar Desktop Laptop(以下、Avamar DT/LT)」を搭載すると発表した。

 Avamar DT/LTは、クライアントPCを対象とした重複除外バックアップ機能。従来のサーバーやNASなどに加え、クライアント環境をサポート。最大5000台のPCのデータを重複除外してバックアップできる。PCが国内・海外に分散配置されている場合もバックアップ環境を1カ所に集約。データ保護の信頼性を高めるとともに管理工数を大幅に削減できる。しかも「クライアントライセンスは無償なので、1システムにつき5000台までコストを気にせずにPC台数を増やせる」(BRS事業部 システムズ・エンジニアリング部 シニア・システムズ・エンジニアの村山雅彦氏)のが特長だ。

 基本的な仕組みには、Avamarの従来技術を継承。データの重複を的確に判断する“可変長ブロック単位”の重複除外や、バックアップ実行前に重複除外を行う技術などを活用する。これらにより、不要なバックアップを減らし、ネットワーク帯域を節約。加えて、開いているファイルのバックアップやCPUスロットリングなどの機能を、クライアントPCの5MBのメモリ領域に格納。「軽量なエージェントを実現することで、PCの負荷を抑えてバックアップを可能にした」(村山氏)という。


Avamarの概要可変長ブロック分割のメリット。固定長ブロック分割に比べ、データの内容変更による差分を的確に判断できる

 Active Directoryのユーザーをインポートできるほか、クライアントPCへのエージェント自動インストールにも対応する。また、専用Web GUIを新たに用意。「検索してリストア」「参照してリストア」「今すぐバックアップ」「バックアップ履歴」のわずか4メニューで構成されるシンプルな画面から、ユーザー自らが簡単にバックアップ・リストアできる。管理者側でバックアップポリシーを設定し、リストア操作のみユーザーに許可する運用も可能。この場合、ポリシーに従って自動でバックアップされるため、ユーザーが日々の運用を意識する必要がない。

 対応クライアント環境は、Windows Vista SP1以降、Windows XP SP2以降。Windows 7は近日対応予定。クライアントライセンスは無償で、1システムあたり最大5000台のPCをバックアップできる。料金体系はバックアップ総量による課金方式。ソフトウェア版とアプライアンス版が用意され、1TBの価格は前者が186万5000円から、後者が343万5000円から。アプライアンス版には1TB版のほか、2TB/3.3TB版も用意され、容量が足りなくなった場合は、台数を増やすことで拡張できる。

 なお、新機能はAvamarに標準搭載される。既存ユーザーは新版にバージョンアップすれば即座に活用できる。

新たにWeb GUIを用意リストア時にファイル名をキーワード検索できるインターフェイスの言語は10カ国語に対応





(川島 弘之)

2010/4/26 15:22