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「ワンアンドオンリーから競合加熱へ、ネットPR市場はこれから盛り上がる」
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ニューズ・ツー・ユー野間CTO
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今回のゲストは、ネットPRのパイオニア ニューズ・ツー・ユーの野間さんです。
筆者と野間さんの付き合いはブロガーの集まりを通して始まっており、その後彼がシックス・アパートに移るなど、企業家というよりもブロガーとしての印象が強いのですが、ニューズ・ツー・ユーの中でどのような役割を果たしているのか、詳しく伺いました。
■ ソニー、シックス・アパート、そしてニューズ・ツー・ユーへ
小川氏
先日お会いしたばかりですが(笑)今日はよろしくお願いします。ニューズ・ツー・ユーではどのようなお仕事をされているのでしょう?
野間氏
現在はCTO(最高技術責任者)的な役割をしています。
小川氏
平田さん(平田大治氏。元シックス・アパートでブログの神の異名を持つ)もいる中で、野間さんがCTOになられた理由は?
野間氏
平田はいま、技術面の仕事ではなく、主にCFO(最高財務責任者)的な仕事をしています。シックス・アパートの平田というより、元ネオテニー(ベンチャーキャピタル)の平田の顔が出ているというところですね。まあ、影のCTOであることは否定しませんけど(笑)。また、僕自身、テクノロジーに傾注しているわけでもなくて、会社の組織作り、サーバーなどのインフラ構築の指導をしています。ご存知のように前職のシックス・アパートでは、MTやTypePadなどのソフト提供のエンジニアリングディレクターをやっていました。主にブログ人とココログへの提供はもちろん、小川さんが日立で手がけていたBOXERBLOGも担当していました。
小川氏
そうでしたね(笑)。なんかかなり昔のことのようです。
シックス・アパートの前はソニーでしたよね。
野間氏
そうです。ソニーで13年はたらきました。主にUNIX WORKSTATIONなどのソフトウェア開発をしてました。また、ソニーに在籍したときにアメリカにも留学させていただきましたが、その頃に平田とは知り合いました。
小川氏
ニューズ・ツー・ユーに移ったきっかけは?
野間氏
うーん。ハードワークで体調崩した、のが直接的な理由ですけどね。ちょうど子供が3歳になるころで、体調を崩して初めて、実は子供が生まれてからちゃんと接する時間をとっていなかったことに気づいたんですよ。平日は残業で会えない、土日はへたばって寝てしまっている(苦笑)。それで3~4カ月仕事を辞めて、じっくり子供と向き合おうかと。
小川氏
なるほど。
野間氏
そうこうしているときに、ニューズ・ツー・ユーのアドバイザーの仕事を不定期で受けるようになったんです。同時に、ブログメディアのGIZMODOの執筆活動もするようになりました。とはいえ、5カ月間くらいは自由に時間を使えるような環境にはいましたね。
■ 単体企業向けのリリースサービスに、グループ企業単位でのサービスを追加
小川氏
ところで、ニューズ・ツー・ユーはエンタープライズ向け、大企業向けのサービスをリリースしましたね。
野間氏
はい。7月23日に出した新サービス(News2uリリース エンタープライズ)のことですね。
もともと、われわれは単体企業のPR支援をやっていたわけなんですけど、大企業はホールディングスというか、グループ広報を考えるようになっています。子会社がプレスリリースを出すときに、親会社としてはそれをちゃんと管理しておきたい。逆に、子会社側も親会社の承認を得てからプレスリリースを打つのはいいとして、そのためのフローがちゃんとしていないことで時間的なロスがあったりしては困るわけです。
小川氏
はい。
野間氏
そこで、News2uリリース エンタープライズでは、企業グループを契約単位とすることで、管理者がグループ各社の広報を効率的に一元管理できるようにしました。
もともと弊社のサービスであるNews2uリリースは単体の企業を契約単位としていました。その与信審査のために、帝国データバンクの電子証明書を利用して認証をしているのですが、今後はこの電子証明書を持っていない会社でも、親会社が証明書を持っていて、かつNews2uリリース エンタープライズの契約をしていただいていれば、弊社のサービスを使えるようになります。
小川氏
なるほど。最近ネットPRを標榜する企業は増えましたけど、コンペティターの動きをどう見ていますか?
野間氏
たとえばPRタイムズさん、ドリームニュースさん、バリュープレスさんなどがありますね。あとは@プレスさんかな…。われわれよりも低価格でサービスを提供される企業もありますけど、サポート面では優位にあるとは思っています。
もともと、この業界自体はうちの神原(社長)が始めて、かなり長い期間ワンアンドオンリー、つまり競合他社がいない状況が続いていたんですけど、それは悪いことではないと思っています。
小川氏
市場がある、ということですからね。
野間氏
そうです。それと、コンペティターの中にはメディアさんにお金を払ってプレスリリースを載せていただく、ということをやっているところがあると聞きます。われわれは創業以来、メディアとのアライアンスはあっても、彼らにはあくまで無償でリリースを提供し、記事として載せていただいています。メディアバイングをするのは代理店です。われわれはオンラインでのPR支援のサービスですから、あくまで無償でやってきたいと思っています。
いまうちは50人くらいの規模になりましたけど、純粋な開発は4名、運用2名です。対してサポートは3名を割いています。きめ細かいサービスが勝負になると思っています。
小川氏
石谷さんをインタビューしたときにもいいましたけど、野間さん、平田さん、石谷さんと、いわゆるギークっぽい人が3人まとめて入って、ニューズ・ツー・ユーの印象も変わりましたよね。神原さん=ニューズ・ツー・ユー、というわけではなくなってきた。
野間氏
神原ならではの、ひらめきやセンスで動いていたところが多かったですからね、以前は。今後はその頃のフットワークの軽さを殺さずに、より組織的な動きができるようにしていかないとならないと思っています。だからCTOとしても、サービスの新機能を作りましたよ、というより、地味に裏側の増強、サーバーを増やすという仕事がメインになります。
Web 2.0企業といわれる企業でも、無料サービスならばサーバーが止まってしまってもまだ大目には見てもらえますが、うちは有料だからそうはいかないです。絶対にとめられない。そういう地味だけど重要な方向に技術を使っていますね。ただ、それもようやく落ち着いたので、今後は新しい、大手に見えるサービスや開発に着手していきたいですね。
小川氏
分かりました。ところで、iPhone対応とか考えますか?
野間氏
考えたことないですけど、基本はいまはPCベースですね。画像や付帯情報があるしテキスト多いので、むずかしいかな。とはいえ、今後はiPhoneに限らずケータイには対応していこうと思っていますよ。
小川氏
僕は近いせいもありますけど、あまり電車に乗らないんですけど、iPhoneにして以来、Macに触る時間が減りました。また、MODIPHIのフィードリーダーも最近実は非常にiPhoneからのアクセスが多いんですよ。MacFanなどでも取り上げられたりして、やっぱりモバイルは大事だなと。若い人のパソコン保有率も減りましたしね。
野間氏
自分は通勤時間が長いので、ケータイ対応すればそれなりに読んでいただけるだろうとは思ったりします。それに、うちのNews2u.netは土日のPVが極端に下がるので、ちょっとてこ入れしないとな、と思っています。ケータイ対応すればそのあたりの改善もあるかもしれないですね。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社モディファイ CEO。東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、サンブリッジのEIR(客員起業家制度)を利用して、モディファイを設立。現在に至る。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2008/08/05 00:00
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