日本オラクル、異種アプリ統合基盤の新版-物流向けパッケージを追加
Fusion Middleware事業統括本部 Fusion Middlewareビジネス推進本部 シニアマネジャーの中村秀樹氏 |
日本オラクル株式会社は6月25日、SOAによる異種アプリケーション統合基盤の新版「Oracle Application Integration Architecture Release 2.4(以下、Oracle AIA R2.4)」を発表した。同日より提供開始する。
Oracle AIA R2.4では、業務システム間のSOAによる連携を可能にする事前定義済みパッケージ「プロセス統合パック(PIP)」を拡充。新たにグローバルロジスティクス(物流)を支援するソフト「Oracle Transportation Management」、ERP製品「Oracle E-Business Suite」、CRM製品「Siebel CRM」の連携を実現する3種のPIPを追加した。
具体的には、「Financial Management PIP」「Driver Management PIP」「Order Management PIP」の3種類。いずれも物流向けのPIPで、事前定義したビジネスプロセスを含むこれらを活用すると、輸送管理ソフト「Oracle Transportation Management(以下、Oracle TM)」と他システムとのさまざまな連携が実現する。
Financial Management PIPは、Oracle TMから発行される輸送コストの請求書を、同社の会計システムで監査と承認を行い、支払処理の実行に至るまでのプロセスを連携するパッケージ。これにより、請求が発生してから速やかに処理を進めることが可能となり、輸送コストに関する請求から支払業務が効率化される。
Driver Management PIPは、Oracle TMとOracle E-Business Suiteの人事管理システムを連携させるもので、運転手、外部委託先の一元的な管理を実現。運転手のトレーニング受講履歴、取得資格、稼働率などの情報を可視化し、運転手の定着率向上にも寄与するという。
Order Management PIPは、Siebel CRMの受注管理システム、Oracle E-Business Suiteの会計システム、Oracle TMをまたぐ受発注プロセスを連携するパッケージ。受注情報を物流部門が速やかに把握することが可能となり、物流業者の作業効率化とサービス品質向上が可能になる。
そのほかOracle AIA R2.4では、新機能として「Composite Application Framework(CAF)」を追加した。各アプリケーションのサービスを統一制御する共通UIを開発するもので、利用例としては、似たようなアプリケーションを1カ所にまとめたり、共通機能をどのアプリケーションからも利用できるようにしたりする。
具体例を挙げると「CAFによって顧客検索UIを開発すると、そこから検索サービスを呼び出して結果を再びUIに表示することが可能となる。アプリケーションとUIを疎結合にすることで、アプリケーションのメンテナンスが、エンドユーザーに影響しない環境を実現できるのがメリット」(Fusion Middleware事業統括本部 Fusion Middlewareビジネス推進本部 シニアマネジャーの中村秀樹氏)。
PIPの価格は、Financial Management PIPが799万円/CPUから、Driver Management PIPが799万円/CPUから、Order Management PIPが1199万円/CPUから。
Oracle AIAの概要 | 新たに提供されるロジスティクス向けPIP | CAFの概要 |
2009/6/25 15:56