テクマトリックス、ソースコード解析ツールの日本語版を提供

百万行のソースコードも数分で解析

システムエンジニアリング事業部 ソフトウェアエンジニアリング営業部の福永一寛氏

 テクマトリックス株式会社は7月2日、米Scientific Toolworksのソースコード解析ツール「Understand 2.0 日本語版」の販売を開始した。国内総販売代理店として販売・マーケティング・ユーザーサポートなどを実施する。

 Understand 2.0は、C/C++/C#/Javaなどに対応したソースコード静的解析ツール。2008年に英語版の販売を開始しており、今回の日本語版では、マイナーバージョンアップが施されたほか、テクマトリックスがGUIとマニュアルの日本語化を行った。

 アーキテクチャ・クラス・関数などあらゆるレベルでソースコードを解析し、プログラムの制御フロー・構造・クラス継承・関数・変数の関係などを、さまざまな角度から可視化する。高速エンジンによる解析の速さも特徴で、「百万行のソースコードも数分で解析できる」(システムエンジニアリング事業部 ソフトウェアエンジニアリング営業部の福永一寛氏)という。

 解析情報は、「グラフィカルビュー機能」により可視化される。呼び出しや参照の関係、クラスの構成、制御フローなどを図式化するため、ソースコードの理解が早まる。また、各種分析結果から該当ソースコード行へジャンプしたり、任意のソースコード要素から分析結果を表示したり、分析結果からほかの分析結果を表示したりすることも可能で、不具合の調査やコード修正を効率化できる。

 さらに、Cyclomatic複雑度やLCOM(結合性の欠如)、DIT(最大継承ツリー)、CBO(結合されたクラス数)といった70種類のメトリクス情報をレポートし、CSV形式で出力することも可能。

グラフィカルビュー機能で解析結果を可視化バタフライ図コントロールフロー図

直感的なGUIを備える約70種類のメトリクス分析が可能レポートはHTML/TEXT形式で出力
エディション一覧

 上記のようにUnderstand 2.0はソースコードを可視化する静的解析ツールだが、同時にエディタとしての機能も備える。「解析ツールとして利用すれば、巨大化・複雑化したソースコードの把握を迅速化し、把握漏れや誤認を防止できるし、エディタとして利用すれば、解析結果の閲覧機能と開発環境を統合して、実装作業を効率化することも可能だ」(同氏)。

 エディタ機能としては、シンタクスの色分けやオートコンプリート、コードベースの折りたたみ、C言語プリプロセッサ定義の使用領域・未使用領域の色分けなどに対応。クラスや関数の宣言場所、戻り値の種類、パラメータ、変数・関数の呼び出し元/先、メトリクスなどを詳細にレポートするエンティティ情報表示機能も備えている。

 さらに、任意の時点の分析結果履歴を保存できる「スナップショット機能」も搭載。Diff機能と組み合わせることで、過去と現在のスナップショット間で差分を抽出し、ソースコード変更内容の比較が可能となる。

 対応プラットフォームは、Windows 2000以降とLinux。分析対象は、C/C++/C#/Javaなど。「今後、PHPやHTML、JavaScriptの解析にも対応する予定」(同氏)。

 価格は、基本的な解析を行える「Engineer Edition」が9万8000円(税別)、より高度な解析・コードメンテナンス機能(エディタ)を搭載した「Pro Edition」が19万8000円(同)、さらに高度な機能を備えた最上位の「Analyst Edition」が49万8000円(同)。Pro/Analyst Editionではノード非固定のフローティングライセンスを採用している。この場合は別途、無償でライセンスサーバーモジュールが提供される。

 なお、同製品はあくまでソースコードの見える化を行うものだ。テストを行いたい際には別途テストツールが必要となる。テクマトリックスでは、米Parasoft製の単体テストツールなども豊富に取り扱っている。




(川島 弘之)

2009/7/2 14:02