日本オラクル、Sunのフラッシュメモリ技術を利用した「Exadata V2」

DWHだけでなくOLTP処理の高速化も可能なアプライアンス

Exadata Database Machine Version 2
米Oracle オラクルデータベースサーバー技術担当 シニア・バイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏

 日本オラクル株式会社は11月11日、データベースアプライアンス「Exadata Database Machine Version 2」(以下、Exadata V2)を発表した。データウェアハウス(DWH)のみならず、オンライントランザクション処理(OLTP)も超高速に処理できる点が特徴。価格は3995万円からで、同日より受注を開始する。

 Exadata V2は、DWHとOLTPの双方を高速処理可能なアプライアンス製品。従来のExadata(以下、Exadata V1)も、「10倍以上の高速化が可能であり、それをお客さまと実証してきた。競合とのPoCでも負けたことがないといっていい」(米Oracle オラクルデータベースサーバー技術担当 シニア・バイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏)が、今回はハードウェア、ソフトウェア両面で改善と新機能追加を行い、さらなる高速化を実現。これまで対応できなかったOLTPもサポートし、1台であらゆるデータベース処理を行えるようになったとした。

 また、従来と同様、Oracle Databaseの持つさまざまなソフトウェア資産はそのまま利用可能。既存アプリケーションの変更が不要で、アプライアンス化されているため、導入したその日からすぐに使える簡便さも継承した。さらに、高速化により、これまで対応できなかった、OLTP処理への提供も可能になっている。

 ハードウェアでは、ベースとするx86サーバーのCPUに、最新のXeon 5500番台を採用したほか、従来の倍速となる40GbpsのInfiniBandをサポート。また、SAS/SATA HDDと組み合わせて、米Sun MicrosystemsのFlashFire技術に基づいたフラッシュメモリ「Exadata Smart Flash Cache」を利用することで、さらなる高速処理が可能になった。メンデルソン氏は、「Exadata V1で達成したシーケンシャル(アクセス)のパフォーマンスに加えて、キャッシュにフラッシュメモリを利用し、ランダム(アクセス)のパフォーマンスを改善できた。大容量データを、高速かつ低コストに扱えるのは、当社の製品のみだ」と、その効果を説明する。

 またソフト面では、最新データベースのOracle Database 11g R2と、専用ソフトの新版「Oracle Exadata Storage Server Software Release 11.2」を利用。新機能として、2つの圧縮機能を新規に搭載した。DWH向けの「Query Mode」は、アクセス速度を重視したモードで、圧縮率は約10倍。また、圧縮効率を重視した「Archival Mode」では、約15倍、データによっては50倍以上もの圧縮率を実現する。メンデルソン氏はこれらについて、「DWH処理はシーケンシャルでかなりの帯域を食うが、Query Mode圧縮によってI/Oを1/10に削減可能。つまり、パフォーマンスが10倍になる。一方のArchival Modeは、通常のデータベースにあって、あまり検索されないようなデータでの使用に最適だ」とメリットを説明した。

フラッシュメモリの採用により、さらなる高速処理を実現新しい2つの圧縮技術を搭載する

 製品は、データベースサーバーとストレージサーバーの台数によって、全4種類を用意する。実環境向けの最小構成「クオーターラック」は、データベースサーバー×2、ストレージサーバー×3を組み合わせたもので、より大規模向けには、データベースサーバー×4とストレージサーバー×7を含む「ハーフラック」、データベースサーバー×8とストレージサーバー×14を含む「フルラック」が提供される。また主にテスト環境向けに、データベースサーバー×1、ストレージサーバー×1の「ベーシックシステム」を提供する。

 1ラックを丸々使う「フルラック」の場合、8台のデータベースサーバーでグリッドを構成するが、64CPU、576GBメモリ、5TBのフラッシュメモリと、SASモデルで100TB、SATAモデルでは336TBのHDDを搭載し、InfiniBand接続によって最大8ラックまでの接続が可能。InfiniBandスイッチを利用すれば、さらに大きな構成も組めるという。価格は、クオーターラックの場合で3955万円から。すでに同社では、国内のいくつかの顧客から受注を受けている状況だという。

日本オラクル 代表執行役社長の遠藤隆雄氏

 なお、期待の大きな製品とあって、製品発表会には代表執行役社長の遠藤隆雄氏も臨席。「世の中では飛躍的に情報量が増えているが、経営者はそれを十分に活用できてない。情報を活用して、会社の打つべき次の一手につなげていけば、必ず勝ち組になれると信じている。Exadata V1の発表時には、10年に一度の革新と申し上げたが、今回はそれ以上。ぜひ、企業の進化に活用してほしい」と述べ、製品への期待を示した。




(石井 一志)

2009/11/11 16:37