シマンテック、強化された重複排除で企業ストレージダイエットを支援
対応Windowsプラットフォームを拡充 |
Hyper-Vを正式サポート |
シマンテック株式会社は7月14日、重複排除機能を強化したNetBackup製品群を紹介した。すでに提供している現行最新バージョンのバックアップソフト「NetBackup 6.5.4」や、2009年末にリリース予定の「PureDisk 6.6」「Backup Exec 2010」などに関して、強化ポイントなどを説明。併せて、これらの製品群を軸に「重複排除をあらゆる場所で」と展開するストレージ新戦略も発表した。
NetBackup 6.5.4では、対応Windowsプラットフォームを拡充。新たに「Certified Windows Server 2008」を取得し、Windowsの全エディション、サーバー、ロールを包括的にサポートした。また仮想化対応として、Hyper-Vを正式サポート。VMwareとHyper-Vに対して、仮想マシンにおける単一ファイルリストアの最も効率的なプロセスを提供するという。
加えて、NetBackup 6.5で実装された独自技術「Granular Recovery Technology(GRT)」も強化。GRTは、対象となるシステムから一度取得したイメージによって、「全体リカバリ」と「ファイル単位リカバリ」を実現するもの。従来は、ファイル単位のリカバリを行うためには、ファイル単位にバックアップを取る必要があったが、GRTにより全体バックアップから個別ファイルを復元することができる。すでに、ExchangeやVMwareの仮想マシンをサポートしていたが、今回「Active Directory」「Hyper-V」「Microsoft Office SharePoint Server(MOSS)」にも対応した。
年末に予定するPureDisk 6.6では、バックアップのテープストレージをバックアップサーバー1台ごとに16TBまで拡張。これにより、必要なハードウェアを50%削減可能となる見込み。1台のPureDiskサーバーで最大160TBのバックアップデータを重複排除することができ、さらなるストレージコストの削減が実現する。
さらに将来的にBackup Exec 2010やNetBackup 7.0で、現状PureDiskでしか不可能なバックアップクライアント側、およびメディアサーバー側での重複排除が可能になる予定という。
こうした製品強化によりシマンテックが進めるのが、「重複排除をあらゆる場所で」というストレージ新戦略だ。同戦略では、「あらゆる場所でデータを削減」「複雑性の軽減」「インフラの削減」という3段階のアプローチで企業のデータストレージダイエットを支援するという。
米Symantec 情報管理グループ担当シニアバイスプレジデントのディーパック・モーハン氏 |
米Symantec 情報管理グループ担当シニアバイスプレジデントのディーパック・モーハン氏によれば、「DataDomain製品などアプライアンスで重複排除を行うものも多くあるが、これらは全データをアプライアンスに持ってきて、そこで重複排除を行う仕組み。これに対して当社製品は、データソースのすぐ近くで重複排除できるのがメリット。重複排除されたデータは最終的に中央拠点に設置されたストレージプールに格納されるのだが、クライアント側で重複排除してしまうことで、ネットワーク帯域を大きく節約することができる。NetBackupやBackup Execにもその機能を実装することで、バックアップクライアント側、メディアサーバー側、リモートオフィスなど、あらゆる場所でデータを削減することが可能になる」という。
複雑性の軽減では、「1つのプラットフォームで1つのバックアップを目指す」(モーハン氏)。同社の重複排除ソリューションと他社ソリューションの違いは、「当社の場合、単一プラットフォームによる一元管理が実現できている点だ」(同氏)という。
それは、Windows/UNIX/Linuxプラットフォームの混在環境から、仮想インフラ、さらには他社製アプライアンスまで、一元管理できることを意味する。同社では、他社製品向けに「OpenStorege API」を提供しており、OSTプラグインを通して他社製品を制御できるようにしており、すでにDataDomain、Quantum、Falconstor、EMCとの連携を実現。今後も多くのパートナーと協業を進める方針で、これにより「バックアップの複雑性を解消する」(同氏)としている。
インフラの削減では、各製品で仮想化対応を進めることで、仮想化における投資対効果を改善。サーバーとともにストレージの仮想化・統合を促進し、バックアップストレージの統合を図るという。
シマンテックでは、6月17日にPureDiskによるデータ重複排除の効果を検証する無償プログラムを提供。「未使用領域の特定と再利用」「ストレージの仮想化」「バックアップデータの重複排除」「アーカイブによる最適化」の4つのステップで挑むストレージ戦略なども発表している。そこで示された「ストレージをもっと働かせよう」といったプロモーションに、今回の新戦略も加えて、企業のストレージ削減を包括的に支援する方針。
あらゆる場所でデータを削減 | 複雑性を軽減 |
2009/7/14 18:39