Office 2010は5月1日より提供開始、パッケージ版は6月17日に発売

TechNet Plus・MSDNでは4月23日よりダウンロード提供開始

 マイクロソフト株式会社は4月22日、「Office 2010」製品群の発売日と参考価格を発表した。日本でも、企業向けボリュームライセンスでの提供を5月1日より開始するほか、パッケージ版を6月17日に発売。Office 2010をプリインストールしたPCも、6月17日より順次販売を開始する。通常版のパッケージ価格は、「Professional」が5万9800円(税別)、「Home and Business」が3万4800円(同)。また、TechNet PlusやMSDNでは、4月23日よりダウンロードが可能になる。

「Office Home and Business 2010」「Office Professional 2010」
インフォメーションワーカービジネス本部 業務執行役員 本部長の横井伸好氏
Office 2010の製品構成
パッケージ版の製品構成と価格

 11月19日より開始されていたOffice 2010のパブリックベータでは、ワールドワイドで750万人以上がダウンロード。「特に、クリックトゥランの技術によって仮想化環境で試せる点が好評で、たくさんの方にお使いいただけた。日本でも、Office 2007の時の倍以上にあたる40万人以上が参加しており、お客さまの関心が非常に高い」(インフォメーションワーカービジネス本部 業務執行役員 本部長の横井伸好氏)という。また、ベータ版ユーザーを対象にしたユーザー調査でも、89%がクオリティに満足したとの結果があるほか、「特にPowerPointとOneNoteが良くなっているとのフィードバックをいただき、大きな手応えを感じている」とする。

 また、製品構成については、「企業向けのボリュームライセンスのエディションと、個人向けのエディションのラインアップを明確に分ける」ことを目的に、ラインアップを整理。個人向けでは、「Professional」、「Home and Business」(従来の「Standard」に相当)、「Personal」の3つを提供するが、横井氏は、「Home and Business」をパッケージ版の主力製品に位置付け、積極的に展開する考えを示した。

 参考価格は、Word/Excel/PowerPoint/Outlook/OneNote/Publisher/Accessを含む「Professional」の通常版が5万9800円(税別)、アップグレード版が3万7800円(同)、アカデミック版が2万8381円(同)。PublisherとAccessを省いた「Home and Business」は、通常版が3万4800円(同)、アップグレード版が2万5000円(同)。Word/Excel/Outlookのみの「Personal」は、通常版が2万9800円(同)、アップグレード版が1万5800円(同)。32ビット向け、64ビット向けのメディアが、1つのパッケージに同梱される。

 価格については、「PC自身の価格が下がり、コンシューマへのPC投資のハードルが下がっている、そういった流れに対応する」(横井氏)との意図で、「Home and Business」と「Personal」では、通常版、アップグレード版ともに、大幅に引き下げられている。「特にアップグレード版を低価格で提供するのは、PCへのプリインストールされたOfficeが多く日本にあるため。たくさんのお客さまに、気軽に最新版にアップグレードしていただこうとの目的で、アグレッシブな価格を設定した。アップグレード版は日本のみでの提供となっている」(横井氏)。

 プリインストール向けには、パッケージ版の3エディションすべてが提供されるほか、「Personal」では、2年間限定で使用できるネットブック向けライセンスも継続する。

 ボリュームライセンスには、「Professional Plus」、「Standard」の2つが提供されることになった。Open Businessライセンスの参考価格は、「Professional Plus」が6万2900円(税別)、「Standard」が4万6400円(同)。今回より初めて、小規模向けCRMアプリケーション「Outlook 2010 with Business Contact Manager」も、両エディションで標準提供される。また、保守契約にあたる「ソフトウェアアシュアランス(SA)」の契約ユーザーに対しては、一般発売より一足早く、4月28日よりダウンロード提供を開始する。

IME 2010のダウンロード提供

 また、Office 2010からは、Office XP以降の正規ライセンスがインストールされたPCを対象として、IME 2010のダウンロードによる無償提供も6月17日より開始する。

 「過去のOfficeを使っているユーザーにも、最新のIMEをご提供したい、ご満足いただける形で提供したいという顧客満足度の観点から、単独での提供を開始することにした。決してGoogle対抗ということではなく、変換効率もパフォーマンスも自信を持ったものができたから、使っていただきたいということ。当社のプロダクトライフサイクルでサポート中の製品ならば、IME2010と組み合わせて利用できる」(横井氏)。

 なお、Office 2010の目玉の1つであるオンライン版「Office Web Apps」については、今回は提供日を明らかにしなかった。


SharePoint、Visio、Projectも同時発売

 今回は、Office 2010だけでなく、「SharePoint 2010」、「Visio 2010」、「Project 2010」についても、同様のスケジュールで提供が開始される。

 価格は、ボリュームライセンス(Open Business)の場合、「SharePoint Server 2010」のサーバーライセンスが94万8000円(税別)、「Standard CAL」が1万7300円(同)、「Enterprise CAL」が1万6000円(同)で、「Enterprise CAL」を利用するためには「Standard CAL」も必要となる。

 Visio 2010のパッケージ価格は、「Standard」が3万1800円(税別)、「Professional」が6万8800円(同)、「Premium」が12万4800円(同)。Project 2010のパッケージ価格は、「Standard」が7万4800円(税別)、「Professional」が12万5800円(同)。


冴子先生が復活、全国でキャンペーンを実施

 また、コンシューマを対象としたプロモーション施策としては、「冴子先生2010の『2010人、Officeの旅』」も行われるという。横井氏は、この取り組みを「過去のOfficeで人気のあったアシスタントキャラクターの冴子先生を復活させ、『Office 2010、いいね!』と2010人に言ってもらえるまで、全国でセミナーやイベントを行うもの」と説明。あわせて、「遊び心で始めたものだが、すでに、予想以上の反響があって驚いている。Officeの公式エバンジェリストとして、キャンペーンの中心を担う」とした。

 こうした活動の模様を、「冴子ちゃんねる」にて動画で公開するほか、Twitterのアカウントも用意されており、“つぶやき”を発信する予定だ。

 一方で法人顧客向けには、Office 2010製品群やSQL Server 2008 R2の発売を記念し、「Microsoft Office & SharePoint Conference 2010」を5月28日に開催する。


冴子先生2010冴子先生2010の「2010人、Officeの旅」





(石井 一志)

2010/4/22 14:28