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「盗まれたPCを探し出す」IP追跡管理システム

日本アドバンス、韓国ソフトメーカーの製品を続々投入

株式会社日本アドバンス 代表取締役社長の瀬戸口万亀男氏
 株式会社日本アドバンスは、韓国のソフトメーカーが開発したセキュリティソフトなどを相次ぎ日本で投入することを明らかにした。

 第1弾となるのは、紛失や盗難されたPCのIPアドレス追跡ソリューション「nTracker(エヌトラッカー)」。

 韓国エヌトラックシステムが開発したセキュリティソフトで、韓国でも政府機関や企業などを対象に7月から出荷を開始したほか、米国市場向けにも出荷が開始されている。

 同ソフトの特徴は、PCが盗難されても、そのPCの捜索を行うための情報を持ち主自身が入手できるとともに、盗難されたPCの中身が第三者に閲覧できないように暗号化技術が採用されていることなどにある。

 例えば、盗難されたノートPCが、ネットに接続された場合、nTrackerが、IPアドレスが変更したことを認識し、固定IPアドレス、DHCPアドレスなどの情報を、PCの所有者宛に自動的にメールで送信。これによって、盗難されたものがどこから接続されているかなどの情報を得て、犯人の居場所とPCの所在を突き止めることができる。

 「固定IPアドレス情報などから、固有の企業名や個人名などを突き止めることができる。入手した情報を警察に持ち込み、捜査の協力を得ることで、犯人逮捕と、盗難したPCの早期奪還が可能になる」(日本アドバンス 情報・企画部・坂本昭彦部長)としている。

 また、PCがネットに接続されない場合でも、PCを立ち上げた段階で要求されるパスワードが正しく入力されないと、任意に指定したフォルダのデータが暗号化され、第三者が閲覧できなくなるといった機能を搭載している。

 「韓国で開発されたものは、政府での利用などを想定しているため、データが完全に消去されるというものだったが、日本での利便性を考えて、暗号化によって閲覧できなくなるという機能に置き換えた。また、日本では、サーバー版の需要が高まると見て、独自にエンタープライズ版を開発した」(日本アドバンス 瀬戸口万亀男社長)としている。

 エンタープライズ版では、サーバーでPCの資産管理も可能で、クライアントのリソース情報の更新も容易に管理できるという特徴ももっている。


nTrackerの管理画面。接続しているPCの状況が表示される 所属部署別に接続されたPCの確認画面。1カ月前までの接続状況などを確認できる 接続しているPCの情報確認画面。PCのシステム情報と所有者の情報を結びつけて管理できる。また、最新の接続状況も表示される

紛失したPCの確認画面 PCを紛失した際、紛失日時の記録と、紛失したPCが次回接続したときにフォルダの削除・暗号化・復号を遠隔制御するための設定画面

 パッケージ版の価格は4620円。パッケージ版による販売に加えて、企業向けライセンス販売、ASP方式による提供、他のソフトメーカーへのOEM、企業へのレンタルなどさまざまな形態での販売を予定している。

 販売に関しては、インターネット総合研究所と全面的に提携。同社の子会社であるIRIコミュニケーションズを通じて、大手ディストリビュータ、SIerを通じた販売のほか、大手企業などへの直接販売も行う予定だという。

 また、大学向けの事務ソフトとして高いシェアを誇るGAKUENを販売している日本システム技術(JAST)へのOEMが決定しているという。

 「学校や保険会社など個人情報を扱ったり、ノートPCを外部に持ち出して利用することが多い企業などを対象に、導入を図りたい」(瀬戸口社長)としている。

 同社では、同ソフトの販売によって、「今年11月までに2億円、来年度は5億円の売り上げ規模を見込む」(坂本部長)としている。


 また、同社では、韓国のソフトメーカーが開発したメッセンジャーシステム「eConference」、P2Pリモート操作システム「eCounselor」、モバイルPCなどのバックアップを簡単に行う「BackupMASTER」、エンタープライズレポーティングサーバー「Octagon」を、それぞれ順次国内で出荷する。

 なかでもeCounselorは、ユーザーサポートなどへの応用が可能で、Webブラウザ上で、パスワードを入力すれば、ソフトを特別にインストールすることなく、オペレーターが相手のPCの画面を自由に操作できるのが特徴。

 「ソフトのインストールの手間がないこと、双方で画面内容をストレスなく、スムーズに表示できるなどの特色があり、ユーザーサポートセンターなどにおけるリモートサポートでの応用が期待できる」(瀬戸口社長)としている。

 これまで同社は、文教向けシステムの開発や、システムインテグレーション事業を中心に事業を展開してきたが、今回の製品投入を機に、アプリケーションパッケージ事業を本格化させる考え。

 今回の製品群は、韓国のソフトウェアメーカー約80社を訪問して、優れたソフトウェアを発掘してきたもの。今後も、韓国の優れたソフトウェアを、パッケージソフトとして国内市場に投入する考えだという。



URL
  株式会社日本アドバンス
  http://www.j-advance.co.jp/


( 大河原 克行 )
2004/07/30 00:07

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