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IBM史上最小のデスクトップPCは「企業にベストな形」
ThinkCentre S50 ultra small
PC&プリンティング事業 PC製品企画担当マネージャー 落合敏彦氏
PC&プリンティング事業 デスクトップ製品企画グループリーダー 横井秀彦氏
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)が8月に発表した「ThinkCentre S50 ultra small(以下、S50 ultra small)」は、“IBM史上最小”筐体のビジネス向けPCとして注目されている。価格競争が激しいデスクトップPC市場において日本IBMはどういった狙いでS50 ultra smallを開発したのか、同社に聞いた。
S50 ultra smallは底面積だけで見るとA4型ノートPCよりも小型だ。また、ディスプレイの脇や机の下に置くタワー型と異なり、液晶ディスプレイの下に設置するという現在では珍しいスタイルをとる。これにより机上のスペースに余裕ができ、さらに光学ドライブやUSBポートにもアクセスしやすいというメリットがある。液晶モニターの位置が少し高くなるのが気になるところだが、同社は「目線と同じ高さだと(下を向くよりも)長時間の操作でも疲れにくい」と説明している。
しかし、省スペースを追求するのであれば低価格化が進んでいるノート型を使えばいいのではないかという考え方がある。また、先日アップルコンピュータより発表された「iMac G5」のようなディスプレイとの一体型にすれば、大画面と省スペースを両立できるのではないだろうか。
PC&プリンティング事業PC製品企画担当マネージャーの落合敏彦氏はこう答える。「まずノート型との置き換えについては、セキュリティ上の問題からPCの持ち運びをさせないという企業が増えており、価格やスペック以外でも“デスクトップでなければならない”というニーズが高まっている」。ノートPCの低価格化が進み、量販店の売れ行きはノート型がデスクトップ型を上回っているが、落合氏によるとビジネス市場ではデスクトップ型とノート型がほぼ同数売れており、デスクトップならではの需要があるという。
また落合氏は「新聞紙上で5~7万円台PCの広告が連日掲載されているが、一方でセキュリティや高堅牢性を備えたデスクトップPCを必要とする人もいる」と、従来とは違ったユーザーをターゲットとしていることを説明する。さらに同社としても安価なPCと一線を画し「健全なビジネス」をしたいという思惑がある。
一方、一体型にしなかった理由についてPC&プリンティング事業デスクトップ製品企画グループリーダーの横井秀彦氏は「デスクトップに求められるパフォーマンスを発揮するには、S50 ultra smallの形がベストだった」と説明する。一体型にするとスペースや排熱処理の問題からノート向けの省電力CPUや小型のHDDが必要となり、パフォーマンスを落としてしまうしコストも上がる。また、企業ではメンテナンス性が特に重視され、修理を要す場合でも短時間で完了し素早く業務に復帰させたいといったニーズもある。過密になりがちな一体型に対し、S50 ultra smallは小さいながらも各部品へのアクセス性に優れ、容易に部品交換などが行える。
筐体左右にあるボタンを押すだけで簡単に開けることができる一方、後方にワイヤーロックを取り付けることでHDDなどのコンポーネントや本体自体の持ち出しを防ぐ
CPUなど熱を発するコンポーネントが一列に並んでいるため排熱効果が高く、ファンの回転数を抑えることができ静音性も確保している
同梱の「エアーディフレクター」を取り付けることで排気を上方に逃がし、対面にいる人に当てないほか、排気口を壁などでふさぐこともない
S50 ultra smallは従来と異なる明確なコンセプトを打ち出したPCだ。落合氏は「S50 ultra smallが市場を席巻するわけではない」としながらも、PCを選択する基準が「値段とCPUだけではない」ことを強調する。従業員のワークスタイルに最適なPCを選択することで業務効率の向上やセキュリティの確保などが実現するということだ。
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URL
日本アイ・ビー・エム株式会社
http://www.ibm.com/jp/
製品情報
http://www-6.ibm.com/jp/pc/desktop/tcs50us/tcs50usa.shtml
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