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企業ユーザーにもブレイクするか?「ビジネスブログ」【後編】
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RSSの活用と導入の進め方
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個人ユーザーの間で日記や情報発信などのツールとして急速に広まりつつあるブログの企業向け利用について、前編では社外向け・社内向けブログの活用法と従来のツールとの違いを取り上げた。後編ではブログの特徴の1つであるRSSの活用法と有効な導入の進め方を、日立の「BOXERBLOG」を例に探ってみる。
■ RSSリーダーを核とした「イントラブログ」
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日立製作所コラボレーションウェア設計部BOXERビジネスグループ部長代理 小川浩氏
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Sonarの機能イメージ
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「RSS(RDF Site Summary)」は、ブログや対応するWebサイトの記事から見出しや要約などをXML形式でリスト化し提供するシステム。「RSSリーダー」と呼ばれるアプリケーションが定期的に登録されているWebサイトからこれらXML形式のファイルを取得し、ジャンルや時系列順などに並べかえることで、サイトの更新情報を効率的に管理・確認できるというものだ。
このRSSリーダーを核としたブログシステムによって、社内コラボレーションの活性化を支援する情報共有プラットフォーム「イントラブログ構築サービス」を提供しているのが日立の「BOXERBLOG」だ。
イントラブログ構築サービスは、各従業員が書き込み、参照・検索などの再利用ができるブログシステムを提供する。蓄積されていく情報は全従業員が利用できるほか、役職や事業部などで閲覧制限を設けることもできる。
また、単にブログシステムの構築だけでなく、RSSクローラー(巡回)とRSSリーダー機能を持つ「Sonar(ソナー)」により、ブログや社内向け重要情報、さらに外部にある関連ニュースなどの一元管理できるポータルサイトを各従業員に提供する。従業員は、そのポータルサイトから自分に関連する情報の更新状況をオンタイムで確認し参照することができる。さらに同社では、グループウェアなどRSSに対応していないWebサイトやサービスの更新情報をRSS化するサービスも提供しており、ポータルサイトで確認することができるという。
日立製作所コラボレーションウェア設計部BOXERビジネスグループ部長代理の小川浩氏によると「イントラブログの構築を検討しているユーザーは、ブログシステムを構築すること自体を目的とするよりも、社内向けの重要情報を従業員にいかに見てもらえるかを相談しに来る方が多い」という。
■ 活用には「書き手のレベル向上」が必要
イントラブログによる一つの“完成型”として同社が描くのが、社員一人一人がブログによって情報を発信し、同時にそれらをRSSによって効率的に収集、さらに書き込みに対し社員同士でコメントやトランクバックをすることで、組織を超えた情報の共有と広がりを生む「情報共有システム」だ。
しかし、いくらこれを可能とするシステムを構築しても従業員の書き込みがなければ始まらない。このため同社では、イントラブログの構築に向けいくつかのステップを踏んで自社に最適な形のシステムを構築を推奨している。
まず最初のステップが「トップダウン型」。社長などナレッジ共有の中心となる人物のみが書き手となり、社員は読み手として参加する。更新が容易で書き手の手間を減らすことができるほか、社員はコメントすることで参加できる。
次に社員それぞれが自分のブログを持ち、書き込みを行う「コラボレーション型」。各ブログへはメンバーリストや社内ポータルサイトのリンクから参照できるようにする。従業員が書き込みや他人のブログを参照するなどして、書き込むべき内容やブログのシステム、利点などを理解し、「書き手のレベルを向上させる」過程にもなる。また、日報形式にして書き込みを義務化するという手段もある。さらに、コラボレーション型の変形として、参加メンバーや期間を限定し内容を掘り下げる「プロジェクト型」という形態もある。
ほかのシステムと同様に、ブログもまずは部門単位など小規模で導入し、業務に合わせて拡張していくことが可能だ。日立でも「会社規模が非常に大きいため現在は実験段階」とのことだ。
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イントラブログの「情報共有システム」
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トップダウン型のイメージ
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コラボレーション型のイメージ
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社内向けビジネスブログは、情報の共有や再利用など従来のメールやグループウェアなどの不得手な部分を補い、社内コミュニケーションの活性化を実現するソリューションになるといえる。
しかし、ただシステムを導入しても使い方や利点が浸透しないと活用されない。かつてメールにおいても企業に導入される際、「電話とFAXで十分」とする従業員が多く「いかにメールを利用してもらうか」という議論がされた。そこで、ある程度の私用を許すなどして積極的に利用してもらい、優位性を実感してもらったという経緯があって、現在のように電話やFAXと併用して使い分けるスタイルが定着したという。
ビジネスブログもその延長線上にあり、まずは個人で利用している人などが軸となって段階的に導入し徐々に従業員に浸透すれば、インターネット上で展開されている個人によるブログのような活発な情報交換が、社内で実現する可能性がある。
■ URL
BOXERBLOG
http://www.boxer.ne.jp/
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( 朝夷 剛士 )
2004/12/03 00:00
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