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運用するセキュリティシステムを“公開中”-松下ネットワークオペレーションズ
取り扱っている製品を自社オフィスでも運用しているというのは珍しくもないが、その状況を一般に公開しているというのは、あまり聞かない。松下ネットワークオペレーションズ株式会社(以下、MNO)は6月より、自社開発のネットワーク機器や取り扱うセキュリティソリューションを自社導入し、その運用状況をそのまま希望者に公開する「セキュリティ体験ラリー」を実施している。
同社のオフィスには、ICカードや指紋認証などで入退室を管理するゲートや、サーバールームなど機密性の高い場所に設置された監視カメラ、許可されていないPCのネットワーク接続を防ぐ管理ソフトなどが運用されている。
松下ネットワークオペレーションズ 代表取締役社長 鈴江啓宏氏
個々の製品を見れば各社から同じ目的のものが販売されているが、購入前に実際にそれらが運用されている場面を見ることができる機会は少ない。特にセキュリティというジャンルは、その性質上、具体的な導入事例はほとんど公開されていないため、実際に使ってみるまでどういったものかわかりにくいのが実情だ。
MNO代表取締役社長の鈴江啓宏氏は「資料やショウルームではわからないことが非常に多い」と指摘する。同社は松下電工をはじめとした松下グループ内外のパートナーの製品を組み合わせたセキュリティソリューションを提供している中で、設備だけでなくその運用方法がセキュリティの強弱に大きな影響を与えることに注目し、それを自ら具体化したのが、このセキュリティ体験ラリーだ。
6月より公開後、いくつかのメディアで取り上げられ、都内だけでなく遠方から見学に訪れることも多いという。先日、テレビにも取り上げられ注目がさらに高まり、当初12月までを予定していたところ、延長も検討しているという。
オフィスは機密度ごとに5つのゾーンに分かれており、それぞれの境界にはゲートやドアが設けられている。ICカードなどの認証なく通過すると警告音が鳴る
機密度の高い部屋へは暗証番号と指紋照合による2重の認証が必要
最も機密性の高い部屋へは虹彩認証も利用し厳密な本人確認が行われる
部屋には監視カメラが設置され、認証と同時に作動し内部での動きを監視する
管理コンソールでは各ゲートでいつ、誰が通過したかの管理や、監視カメラで撮影された映像の記録を行う。入退室管理システムは来場者の6割が関心を持つという
IEEE 802.1xユーザー認証機能を備えたスイッチングハブ
登録されていないPCが接続されると管理者にメールを送ったり、警告灯を点灯するなどして通知する
クライアントPCのログインや共有ファイルへのアクセス状況などの集中管理コンソール
機器だけでなく人の管理を「アナログ的セキュリティソリューション」として取り決め、運用状況を公開している
「実際の運用状況を見てもらうと、とても高価なセキュリティ機器を購入しなくても、そこそこの投資で実用的なソリューションが導入できることがわかってもらえる」と鈴江氏は話す。同社の販売にも効果が現れており、同社への問い合わせ件数や、提案金額は倍増しているという。
さらに効果は製品品質の向上や社員の知識・関心の向上にも及んでいる。訪れた人の声を聞いたり、製品の運用や案内をしていく上で、そこに足りないものや求められている機能などが蓄積され、改善に結びついているのだ。ネットワーク機器は自社開発のため、ダイレクトに反映させることができる。例えばユーザーインターフェイスをすべて日本語化したり、誤作動の原因となるディップスイッチを隠した設計に変更するなどして売上が伸びたとのことだ。
ラリーで体験できるセキュリティ機器も「日々改善」をテーマに少しずつ変更を加えており、今後はIP電話やシンクライアントPCなどの導入も検討しているという。
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URL
松下ネットワークオペレーションズ株式会社
http://www.mno.co.jp/
( 朝夷 剛士 )
2005/11/11 13:01
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