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Windows Server 2008 RC1ファーストインプレッション
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マイクロソフト株式会社は、Windows Server 2008 RC1(Release Candidate:リリース候補版)を公開した。同社サイトからダウンロードできる。さっそく、ダウンロードしたWindows Server 2008 RC1(x64 Edition)をインストールして、一通り使ってみたのでレポートする。
インストール環境に関しては、Windows Server 2008 RC0と同じく、CPUにAthlon 64×2 4200+(2.2GHz)とチップセットはAMD 690G(内蔵グラフィックコア RadeonX1250相当)、メモリ3GBという環境だ。
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パスワードの複雑さが有効になっているため、いつも使っているパスワードだとエラーが返された
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初回ログオン時に、[パスワードリセットディスクの作成]というメッセージが表示されるようになった
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まず、インストール自体は、ほとんど問題なく行われた。ただし、インストール後、「Administrator」のパスワードを入力するときに、とまどった。Windows Server 2008 RC0では、短いフレーズのパスワードでも大丈夫だった。しかし、RC1では、初期設定で「パスワードの複雑さ」が有効になっている。このため、パスワードの文字数は6文字以上。パスワードの文字種類は、英大文字、英小文字、数字、アルファベット以外の文字の4つの種類のうち3つの種類が必要になる。
さらに、ユーザーアカウント名やフルネームに含まれる3文字以上連続した文字列は使用できない。つまり、Administratorというアカウント名だと、Admiという文字列が入ったパスワードは使用できない。また、フルネームにYamamoto Masafumiと入力されていると、Masaという文字列はパスワードでは使用できなくなる。
この設定は、管理者権限でログインして、管理ツールにある[ローカルセキュリティポリシー]→[アカウントポリシー]→[パスワードのポリシー]で変更できる。セキュリティ的には弱くなるが、いつも使い慣れているパスワードでないとという人は、変更しておいた方がいい。
ただし、RC1をインストールした直後にパスワードを入力する「Administrator」に関しては、いったん3種類の文字を含む文字列にしなければならない。テストしてみたときは、これがわからずに、インストール直後に悩んでしまった。
また、パスワードを入力するときに[パスワードリセットディスクの作成]と表示されている。これは、作成したパスワードをリセットしたいときに、使用するディスクを作成するもの。このディスクは、フロッピーディスクだけでなく、USBメモリなどが使用できる。このディスクを利用すれば、もしパスワードを忘れたときに、パスワードをリセットして再設定をすることができる。
今までも、この機能は用意されていたが、ログイン画面に大きく表示されるようになった。
ドライバのサポートに関しては、RC0よりもすすんでいる。ただし、今回もグラフィックドライバやオーディオドライバなどはインストールされなかったため、Windows Vista 64ビット版のドライバをインストールした。インストール自体は、ほとんど問題なく行われ、実際に動作もしている。
オーディオに関しては、ドライバをインストールしても、デフォルトではオーディオサービスが動作していないため、オーディオサービスを動かさないと音はならない。サービスでサウンドを有効にしてもいいが、タスクトレイにオーディオOFFのアイコンが表示されているときは、このアイコンをクリックすればオーディオサービスをONにできる(オーディオドライバがインストールされている場合)。
OSのバージョンは、6.0。ビルドに関しては6001。RC0と異なるのは、「Service Pack 1、v.275」が、「Service Pack 1、v.667」となっている。
メニューなどは、RC0と同じように日本語化が終了している。ヘルプなどは、まだ英語の部分が多いが、一部日本語化されている部分もある。
■ 仮想化はどうなったか?
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役割内の表記は「Hyper-V」に。メッセージも一部日本語化している
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RC0では、日本語環境において仮想化ソフト「Hyper-V(Windows Server virtualizationから名称変更)」がインストールできなった。このため、日本語版にランゲージパックをインストールし、英語環境にしてからHyper-Vをインストール。その後、日本語環境に戻すことでインストールができた。今回のRC1では、やっと日本語版で動作すると期待していたが、結局、日本語環境でHyper-Vはインストールできなかった。Hyper-Vをインストールするためには、RC1でもRC0と同じ手順を行う必要があった。
Hyper-Vは、初期状態では英語版、日本語版ともにサーバーマネージャの[役割]に表示されない。Windowsディレクトリにある「WSV」フォルダ内のパッチプログラムをインストールする必要がある。日本語版ではランゲージパックをインストール後、英語環境に変更する。
実際にHyper-Vの仮想環境にWindows Server 2008 RC1日本語版をインストールしてみると、RC0と同じように「Integration Service」は動作しなかった。このため、ネットワークなどはレガシーネットワークを利用することになった。Integration Serviceを使用できないため、Hyper-Vの利点といえるVMBUSが使えないため、仮想環境のパフォーマンスはあまり高くなかった。どうしても、VMBUSを試してみたいユーザーは、仮想環境に英語版OSをインストールして、ランゲージパックをインストールして、日本語環境にして使ってみれば、Integration Serviceがインストールできる。
Windows VistaのAero UIに関しては、RC0で動作していたのと同じように、「.NET Framework3.0」と「XPSビューア」、「デスクトップエクスペリエンス」をサーバーマネージャの機能からインストールして、サービスの「Themes」を有効にすればOK。もちろん、Windows Vistaなどで使用されているグラフィックドライバをインストールする必要はある。AMD(旧ATI)に関しては、Windows Server 2008でもWindows Vistaのドライバがインストールできたため、Aeroも動かせた。
■ RC1で追加された機能
Windows Server 2008 RC1では、RC0から強化された機能としてグループポリシー管理ツール「Group Policy with Group Policy Preferences」がある(以前は、「PolicyMaker Standard Edition」「Policy Share Manager」と言われていた)。この管理ツールでは、Windows VistaやWindows Server 2008で拡張された数千個にも及ぶグループポリシーを一括して管理できる。また、企業の管理方針に従って複数のグループポリシーテンプレート(Starter Group Policy)が用意されているため、管理者はいちいち数千ものグループポリシーを設定しなくてもいい。
グループポリシー管理では、Windows XP SP2、Windows Server 2003、Windows Vista、Windows Server 2008などのコンピュータが対象となる。これらのコンピュータでは、管理者がWindowsのセッティングやコントロールパネルの設定などを一括して設定することが可能になる。
RC1が公開されて、あまり使い込んでいないので、細かな変更部分に関しては、これから調べていくことになる。ざっとテストしてみた感じでいえば、RC0から大きな機能追加などは、ほとんどなさそうだ。RC1では、RC0であったバグなどの修正がほとんどのようだ。一部、パスワード関連などに変更が加えられているのは、テスターからのフィードバックより、高いセキュリティを実現するためと考えられる。
ターミナルサービスで問題になっていた、Aero UI表示に関しては、まだ修正されていなかった。RC1でも、ターミナルサービスにアクセスしたときにAero表示(半透明、3Dフリップ)は、できなかった(Beta 3では、実現されていたが、RC0からできなくなっている。ドキュメントとしてはAero表示は可能とされている)。
Windows Server 2008は、仮想化以外の機能に関しては大詰めを迎えているようだ。デベロッパーやIT管理者はそろそろ、Windows Server 2008に本気で取り掛かってもいい時期にきたようだ。
マイクロソフトでは、2008年2月27日にWindows Server 2008、SQL Server 2008、Visual Studio 2008のラウンチイベントを米ロサンゼルスで開催する。このまま、順調に開発がすすめばRTM版は、このイベントに間に合うだろう。
現状のスケジュールだと、RTMに関しては、1月末~2月初頭になると予測される。日本でのラウンチイベントは4月に予定されているため、TechNet、MSDNなどの参加者は、2月頃にはWindows Server 2008の日本語RTM版を入手できるようになるだろう。
また、Windows Server 2008のリリースと歩調を合わせるように、Windows Vista SP1の開発も進んでいる。Windows Vista SP1とWindows XP SP3に関しては、ほとんど同じタイミングでユーザーに公開されているため、リリース時期はWindows Server 2008と同じく2008年2月初頭になるだろう。Windows Server 2008と一緒に利用するには、Windows Vista SP1がぴったりだ。このため、Windows Server 2008の導入を計画しているユーザーは、Windows Vista SP1も同時にテストしてほしい。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
Windows Server 2008
http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/
■ 関連記事
・ マイクロソフト、Windows Server 2008 RC1日本語版を公開(2007/12/10)
( 山本 雅史 )
2007/12/10 15:05
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