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WindowsユーザーのためのXenServer入門【前編】


 Xenといえば、Linuxベースの仮想化ソフトとして知られている。そのため、Windowsをメインに使うユーザーにしてみれば、ちょっと敷居の高いように思えるかもしれない。しかし、シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社が10月にリリースした「Citrix XenServer 5」を使ってみると、イメージは変わるのではないだろうか。今回は、同社が無償で提供している無償版のXenServer Express Editionの試用レポートをお送りする。前編は、XenServerのインストール方法を紹介する。


XenServerの必要要件

使用した日本HPのIAサーバー「HP ProLiant ML110 G5」
 XenServer Express Editionは、シトリックスのWebサイト(US)からダウンロードできる。必要事項を入力すると、インストール用のイメージファイル(Product Installer)のほか、管理ツールのXenCenterなどが公開されたページが表示される。Product InstallerにはXenCenterも入っているので、このファイルだけダウンロードしてCD-Rに焼けばOKだ。

 今回試用したXenServer Express Editionは、無償ということもあり、最大物理メモリは128GBに制限されている。必要なシステム環境も他のエディションと大きな違いはない。マルチコアに対応したx64プロセッサ(Express Editionのみ最大2プロセッサまで利用可)、1GB以上のメモリ、16GB以上のストレージ、Ethernetとそれほどハードルは高くない。もちろん、複数のゲストOSを稼働させるので、メモリやストレージは十分に用意したほうがいいだろう。

 評価のために用意したサーバーは、日本HPのIAサーバー「HP ProLiant ML110 G5」。クアッドコア対応の1Wayタワーサーバーだ。今回は、無保証ながらCPUをCore 2 Quad Q6600に、メモリをノンECC 8GB(2GB×4)、500GB SATA HDDにして評価を行った。サーバー本体が1万5000円で販売されていたときに購入したので、総額5万円弱で構築したことになる。これくらいの価格であれば、個人ユーザーでも手軽に試せるだろう。


XenServerのインストール

 インストール自体は、指示にしたがって設定していくだけで完了する。ネットワークに関しては、DHCPを使ってもいいが、できれば静的なIPアドレスを設定したほうがいいだろう。今回用意した環境では5分もかからずにインストールは完了した。


XenServerのインストール画面。[Enter]キーを押して次のステップに 操作はすべてキーボードで行うので、まずはキーボードの種類を選択。[jp106]を選んで次へ。項目間の移動は[Tab]キー、項目の選択は[Enter]キーと覚えておこう [Install or upgrade XenServer Host]を選択

インストールの確認メッセージ。次に進もう ライセンス内容の確認メッセージ。確認後、次に進む インストールソースを選択。[Local media(CD-ROM)]を選択し次に

Linuxパックを使うかどうかの確認画面。今回はゲストOSにLinuxを使わないので、[No]を選択 インストールソースのチェックをするかどうかの確認画面。スキップして問題ないので、[Skip verification]を選択 rootユーザーのパスワードを設定

ネットワークの設定画面。DHCPを使うか、静的なIPアドレスを使うかを設定。今回は、DHCPを使わず静的IPアドレスを設定 ホスト名とDNSサーバーを設定 タイムゾーンの設定画面。[Asia]を選択して次に

[Tokyo]を選択して次に NTPを使うか手動で時間を設定するかを確認する画面。今回は、[Using NTP]を選択 NTPサーバーを指定する画面。特に入力しないで次に

ここまででインストールの基本情報の設定が完了。あとはインストールするだけ。[Install XenServer]を選択して次に インストール自体は5分もかからずに終了。インストールディスクを取り出して、[Ok]を選択する 再起動後に表示されるXenServerのコンソール画面。これ以降の設定は、リモート管理ツールのXenCenterで行える

XenCenterのインストール

 XenServerのインストールが終わったら、次はXenCenterをインストールしよう。XenCenterのインストールもメッセージにしたがって進めるだけだ。Windows XP/Vista/Server 2003の各OSに対応しているので、日常使っているクライアントPCがあれば、それにインストールしてかまわない。


XenServerのインストールメディアを挿入すると、XenCenterのインストーラが起動する インストールする機能を選択 インストール先と利用するユーザーを指定

基本設定終了後、XenCenterのインストールを開始する インストールが完了。あとはデスクトップにあるアイコンをダブルクリックすれば、XenCenterが起動する XenCenterの基本画面。まず行うのは、管理するXenServerの登録だ。[Add your XenServer]をクリックする

XenServerのホスト名もしくはIPアドレス、root、rootのパスワードを入力する Express Editionを使用してる旨のメッセージが表示される 管理するXenServerが左ペインにツリー状で表示される。以後、右ペインにある各機能のタブから操作を行う

 ここまでの作業は30分もかからなかった。非常にシンプルな構成という印象を受けた。

 次回は、仮想マシンの作り方とゲストOSのインストール、そして複数仮想マシン実行時のベンチマーク結果などを紹介する。



URL
  Citrix XenServer
  http://www.citrix.co.jp/products/xenser.html

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( 福浦 一広 )
2008/12/25 08:54

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